知ってますか?熱中症と熱射病と日射病の違い

entry_img_115.jpg

夏になると熱中症熱射病日射病などの言葉がテレビなどで流れますが、実はこれらの言葉はそれぞれ意味するところが違います。

正しい医療情報をインターネットなどで検索するためにも、病名の意味を正しく知っておくことは重要ですので、ここで解説しておきます。


暑さによる障害は、まとめて熱中症と呼ばれます

熱中症、熱射病、日射病について、まずそれぞれの言葉の関係を図で示しておきます。

暑熱による障害の分類

上の図は、暑熱による障害を病態から区別し、従来から医療現場で用いられてきた分類法です。

最近では後述する新分類が用いられるようになってきていますが、いまでもガイドブックや予防指針などに採用されています。

この図からわかるように、暑さによって障害が起きた状態を、まとめて熱中症と呼びます。

そして熱射病は、熱中症のなかの一つで、熱中症で最も重症な状態ということになります。

日射病は正式な医学用語ではない?

上の図を見て、あれ、日射病がはいってないよ!と思ったかもしれません。 実は日射病という言葉は、正式な医学用語としては使われていません。

熱中症という言葉は、炎天下の太陽光の影響や、気温や湿度の高い環境にいる影響で起きる障害を含みます。

しかし、日射病はその言葉通り、太陽の光によっておきる障害しか含まないため、熱中症という言葉に比べて狭い範囲しか示せません。

暑熱による障害は、日の当たらない室内によっても起きるため、最近では日射病という言葉はあまり使われなくなっています。


熱中症の新しい分類ってなに?

最近では、日本救急医学会が救急現場の臨床医向けの新たな熱中症の重症度分類を採用しています。

詳細は省きますが、熱中症を重症度によって、Ⅰ度、Ⅱ度、Ⅲ度の3段階に分けた方法です。

熱中症新分類

この救急医学会が提唱する分類は、「現場で対応可能」、「受診が必要」、「入院が必要」の3段階に単純化されています。

今後も適宜改訂されていく可能性があるとは思いますが、将来的に熱けいれんや熱疲労、熱射病などの言葉は、過去のものとなっていくのかもしれません。

post_img_115.jpg

まとめ

暑熱による障害をまとめて熱中症と呼び、その最重症が熱射病です。日射病は日光によるものに限られてしまうため、医学的にはあまり使われていません。

しかし熱射病などの言葉も、将来的に分類が変わっていくにつれて、過去のものになっていくのかもしれません。

参考文献)
日本救急医学会熱中症に関する委員会 本邦における熱中症の現状 日本救急医学会 2012
熱中症の分類と病態 発汗学 20(2):80-82:2013