医者は特定保健用食品(トクホ)の烏龍茶や緑茶が飲みにくいという話

最近、コレステロールを下げる!とか、血圧を下げる!とかうたい文句のついたお茶などが売れているようです。
これについて効くとか効かないとかここで言う気はありません。というか、自分もなんとなく買ってしまっていることがあります。
医学的に効くんですか?という質問はちょっと置いといてですね、少し困った経験があったので書いてみます。
意図せずに宣伝役になってしまう
困った経験というのはですね、外来のときに机の上にそういった製品を置いといたことがあるのです。
それを飲んで健康になろうとか考えていたわけではなく、なんとなく買ったペットボトルの飲み物が、たまたま特定保健用食品(トクホ)であったわけです。
そうしたら、患者さんが見つけて「あ、それ飲んでいるんですか!やっぱり効くんですね!それ自分も買います!」と言われてしまいました。
きちんと医学的な文献を調べたりして、健康によいと確認したわけではないので、そのように受け取られてしまうのはまずいなぁと思いました。
気軽にペットボトルのお茶が飲めなくなりました
医者という職業である以上、深く調べないでそういった飲み物を気軽に飲んでいた自分が確かに悪いです。
そのせいで意図せずにその商品の宣伝役になってしまったことを反省しなくてはと思い、実際に効果がどうなのか文献を調べたりもしました。
実際のところ、特定保健用食品となっている時点で、何らかの健康増進に対する影響が証明されているわけです。
しかし、実際に病気を予防するかについてまでは証明されていないものが多いのも、また事実です。
とりあえず特定保健用食品を勧めるのは医者の仕事ではないよなぁと思い、その後飲み物のペットボトルを患者さんの見えるところに置くのをやめました。
特定保健用食品だと気付かずに飲んでいることがけっこうある
しかし、そこまで考えている医者ってたぶんそんなに多くなくて、そのような健康によいと書かれているお茶をなんとなく飲んでいる医者ってけっこういます。
必ずしもその効果を期待して飲んでいるわけではなくて、自動販売機にお茶系の飲み物がそれしかなかったとかもあるわけです。
また、コンビニとかに普通のお茶と並べて置いてあって、健康食品だと認識しなくても買ってしまうこともあります。
でも医者がそういうのを飲んでいると、患者さんはその製品が効くんだと思ってしまうこともあり、意図しなくてもその製品の宣伝をしてしまっているわけです。
医者はみんなもっと気を配らなくてはいけないと思うと同時に、患者さんにも医者が飲んでいるからといって効果があると受け取らないよう注意してほしいと思ったので書いてみました。
まとめ
特定健康食品のお茶がいいとか悪いとか、この場で言うつもりはまったくありません。
ただ、それを飲んでいる医者がいるからといって、その効果を保証するものではないのでご了承ください。
でも医者としてそう受け取られることくらい自覚するべきだったなと反省します。