怪我をしたら傷をきれいに治すには何科にかかるのが正しいの?

皮膚の表面の怪我は何科?

怪我した傷をきれいに治すために病院にかかりたいという場合、どうしたらいいのでしょうか。

以前、病院に行くかどうか迷うほどの怪我であれば、腱や骨まで傷ついている可能性まで考えて整形外科がよいという記事を書きました。

切り傷や擦り傷などの怪我は何科にかかればよいのか

よく、切り傷や擦り傷で内科にいらっしゃる方がいます。簡単な処置はできないわけではありませんが、私は内科医なので外傷に対して医学的責任を負えといわれると正直厳しいところです。内科医だって

確かに、病院に行かなくてはと思うほど深い傷であれば、骨折や腱の損傷などの治療までできる整形外科が望ましいと考えられます。

しかし、そこまで深い傷ではないが、病院できれいに治してもらいたいということになると、かかるべき専門科は変わってきます。

皮膚表面の傷をいかにきれいに治すかということに関していえば、形成外科や皮膚科が専門となります。

腱や骨まで達するような深い怪我ではないことが前提になりますが、ここでは形成外科や皮膚科が扱う領域について説明していきたいと思います。


形成外科は傷あとをなくす専門科

ひどい怪我であれば、体の一部の形が変形してしまったり、傷のあとが残ってしまうこともあります。

そのような、かたちの問題で社会的に影響がでるかもしれないという状況に対して、治療をしているのが形成外科になります。

形成外科は目に見える身体のかたちの異常を治療する診療科であり、生まれつきの異常である口蓋裂の手術をしたり、場合によっては乳房の再建をしたりもします。

美容形成というものがありますが、あれは形成外科の中の一つの部門ということになります。 そして、形成外科は傷自体をきれいに治すことの専門であるとともに、残ってしまった傷あとに対する治療も行う診療科です。

特に顔面の怪我で傷あとが残ってしまうと、他の体の部分よりも社会的な不利益を受けやすいと言えます。そのような顔面の傷、顔面の骨折を専門に扱うのも形成外科になります。

慎重な対応が必要な怪我に対して、日常的に診療しているのが形成外科です。「傷をきれいにする」ということに関して言えば、一番の専門は形成外科ということになります。

皮膚科は皮膚の異常の専門科

一方で皮膚科は、皮膚の異常を専門にあつかっている診療科です。 皮膚に異常が起きる病気の診断や治療をしたり、皮膚のがんの手術をしたりする診療科になります。

ときには、全身の病気の一つの症状として皮膚に問題がでるような病気も扱うため、その診療範囲は非常に広いといえます。

さらに皮膚科は皮膚の病気に限らず、皮膚のできものや、高齢者に多いひどい床ずれ(褥瘡:じょくそう)、巻き爪の治療なども専門的に診療しています。

そういった診療に加えて、皮膚表面の怪我、傷のあとがひどく残ってしまった瘢痕や、やけども皮膚科が診療する領域になります。

実際に傷の治療ややけどの治療に関して、日本皮膚科学会は創傷・熱傷ガイドラインを出しています。

形成外科と皮膚科の診療領域は、皮膚の傷に対する治療に関して、一部分はオーバーラップしているということになります。


しかし形成外科は皮膚科に比べて少ない

じゃあ形成外科か皮膚科を探そうということになると、皮膚科のクリニックに比べて、形成外科のクリニックはあまり見ない気がします。

これに関して厚生労働省による平成23年の医療施設調査・病院報告の概況の報告があります。 この中で診療所の診療科目別にみた施設数は、皮膚科が全国で11518施設あるのに対し、形成外科は1808施設しかありません。

ちなみに外科は13644施設、整形外科は12252施設という報告です。一番多い内科は61207施設でした。

形成外科を標榜している病院は比較的少ないので、形成外科の病院が近くにないような地域では、皮膚表面の傷に関しては皮膚科、または整形外科や他の外科系のクリニックが主に診療していると考えられます。

傷の処置は形成外科または皮膚科で

まとめ

腱や骨まではとどかなそうな浅い擦り傷や切り傷だけれども、自分で処置するには厳しそうだという傷であれば、適する診療科は形成外科か皮膚科になります。

そういった場合、まず近くの形成外科、または皮膚科のクリニックで相談をしていただければと思います。

ただし、骨や腱まで届くような傷の専門は整形外科となるので、けっこう深い傷で心配だというのであれば、整形外科での相談をおすすめします。

身体の表面にとどまらないかもしれないひどい怪我に関しては、下記の記事もご参照ください。

切り傷や擦り傷などの怪我は何科にかかればよいのか

よく、切り傷や擦り傷で内科にいらっしゃる方がいます。簡単な処置はできないわけではありませんが、私は内科医なので外傷に対して医学的責任を負えといわれると正直厳しいところです。内科医だって

また、夜間や休日では傷の浅い深いにかかわらず処置が必要ということであれば、救急外来を受診して、翌日以降に専門の診療科を受診する場合もあります。

怪我をして病院に行くという場合には、上記を参照にしていただき、落ち着いて傷を水道水などで洗ってガーゼなどで圧迫しながら、行く病院を判断していただければと思います。