小さい子供の怪我は何科の病院につれていけばいいの?

子供の怪我って何科だろう?

子供は怪我をして当たり前といっても、もし怪我をしてしまったら必要に応じて医療機関に連れていってあげなくてはいけませんね。

先日患者さんに聞かれることがあったのですが、子供の怪我は何科に連れて行けばよいのかご存じない方がけっこう多いようです。

結論から言ってしまうと、怪我であれば大人か子供かに関わらず、怪我をした体の部位に対応する外科系の診療科が対応します。 それでは、小さい子供の怪我は何科に連れて行くべきなのか、具体的に説明していきたいと思います。


子供の怪我は大人と同じ診療科でいいの?

子供だから小児科?と思われている方もいるようですが、小児科は言い換えてしまえば小児内科であり、子供の病気を専門とする診療科です。

生まれて間もない新生児の怪我や小さいお子さんの重大な怪我であれば、全身管理という形で外科系の医師と一緒に診療に関わることもありますが、小児科は外傷に関しては専門ではありません。

わかりやすく大まかに分けると、担当する診療科は下の表のようになっています。

診療する科の大まかな表

あくまでおおまかな分類ですので、怪我の部位によってどの科が診るか微妙なケースもあり、すべて上の表どおりとなるわけではないのでご注意ください。

当然ながら、普段かかりつけの小児科があるのであればそのかかりつけの小児科へまず連絡して、どのようにすべきかを相談することは可能です。

しかし上にも述べたように小児科は怪我を専門とはしていないので、小さい子供であっても怪我の処置をしてもらうのであれば大人と同じ診療科ということになります。

これに関しては下の記事でも詳しく説明しておりますので、参考にしていただければと思います。

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基本的には、浅い表面の傷の処置は「~外科」と表示しているクリニックであれば対応してもらえます。

専門がどこなのかをあえて挙げると、浅い皮膚表面の傷であれば形成外科皮膚科、腱や骨まで至るような深い傷であれば整形外科が専門となります。

また、骨折の診断や治療は整形外科が専門ですが、顔の怪我であれば顔面の骨折まで含めて形成外科が専門、頭の怪我であれば頭の骨折まで含めて脳神経外科が専門となります。

適切な病院へ連れて行ってあげましょう

小児外科っていうのがあるからそこじゃないの?

小児外科という診療科が存在しますが、子供の怪我であればかかるべき診療科は小児外科かというと話は少し違ってきます。

小児外科は主に子供の病気や重傷外傷に対して手術をする診療科であり、一般的な怪我の処置や診察を専門としているわけではありません。

また、厚生労働省による平成23年の医療施設調査・病院報告を見てみると、全国で内科が61207施設、小児科が19994施設であるのに対して小児外科は357施設しかありません。

小児外科医が子供の怪我を診れないというわけではありませんが、小児外科はその専門性が小児の手術に特化している診療科で、私の知る限りでは大きな総合病院や大学病院にしかありません。

ですので、子供の一般的な怪我を相談する最初の窓口としては、小児外科はあまりその目的に合致していないといえます。


子供が頭をぶつけて怪我をした!どうする?

小さい子供さんが頭をぶつけて怪我をするケースについても書いておきたいと思います。

小さいお子さんだからこそ、頭を打って怪我をするというケースは非常に多いはずです。

頭をぶつけた後にぐったりして反応がにぶいという場合や、けいれんを起こしたような場合にはすぐに救急車を呼ぶ必要があります。

また、頭をぶつけた場合の怪我であれば基本的に脳神経外科が専門となりますが、夜間休日であれば救急外来を受診することになります。

頭をぶつけたらCT検査は絶対に必要?

あきらかな重傷ではない場合、頭の怪我でよく問題になるのが頭のCT検査をするかどうかという問題です。

頭のCT検査は頭の輪切りの画像を撮影する検査で、頭の骨折や頭の中の出血を見つけるのに大変有用です。

しかし、小さいお子さんの被曝のリスクを考えればCT検査はできれば避けたいところです。これに関しては状態に応じて医師が判断することになります。

ちなみに、子供が頭をぶつけて怪我をした場合にCT検査をするべきかどうかを調べた論文があります。

Identification of children at very low risk of clinically-important brain injuries after head trauma: a prospective cohort study. Lancet. 2009 Oct 3;374(9696):1160-70.

 

上の論文では、医師の診察で意識の状態も問題なく、頭の骨折を疑うような所見もないなど、いくつかの点を確認すれば2歳以下の子供の頭の怪我ではCT検査は必要ないと結論付けています。

怪我の状況や子供の状態によりますが、医師の診察を受けた上でその判断によっては頭を打ったからといって必ずCT検査が必要というわけではないということです。

実際に臨床の現場では、上記の論文のような要件に沿って確認した上でCT検査をしないことが日常的にあります。

お子さんが頭を打った時にCT検査をするかどうかについては、上記の点も踏まえて診察した医師とよく相談していただければと思います。

急いで病院に連れて行く?救急車を呼ぶ?

あきらかに重大な怪我だというのであれば救急車を呼ぶのに迷うことはありませんが、そうでなければ急いで病院に連れて行く必要があるかどうか迷うケースも多いはずです。

たとえば、けっこう強くぶつけて骨が折れているかもしれない、頭をかなり強く打ったので心配だ、などいろいろなケースがあるかもしれません。

基本的には、連れて行くかどうか迷うようであれば、病院に診察してもらえるかどうか確認の連絡をして連れて行くというスタンスでよいかと思います。

「こんな軽いことで連れてきて!」みたいなことを言う医療者はいませんので、安心して連れてきていただければと思います。

遠慮して病院に連れて行かずにあとになって後悔することだけは、絶対にあってはいけません。

また、救急車を呼ぶかどうか迷うのであれば、小児救急電話相談(#8000)を使うという方法がありますので、こちらも積極的に活用するべきです。

でもまずは子供が怪我をしないように注意してあげるのが大事ですね

まとめ

小さいお子さんであっても怪我の処置をしてもらうのであれば、小児科ではなく大人と同じ診療科が専門となります。

基本的には、病院に連れて行くかどうか迷うような怪我であれば、病院にあらかじめ電話で連絡をしていただいて確認した上で、病院を受診するというスタンスでよいと思われます。

救急車を呼ぶかどうか迷うケースに関しては、小児救急電話相談(#8000)を使うという方法がありますので、知っておいていただければと思います。