耳鼻咽喉科が風邪でかかるときの大事な一つの選択肢である理由

風邪で耳鼻科?

風邪だといって内科に来られる方の中には、内科ではなくて耳鼻咽喉科にかかったほうがよいと思われる症状の方もいらっしゃいます。

しかしそういった方に耳鼻咽喉科にかかったほうがよいと伝えると、「なんで耳鼻科なんですか?」と驚かれてしまうこともあります。

それでは、耳鼻咽喉科が風邪でかかる上での選択肢となる理由について、説明していきたいと思います。


耳鼻咽喉科医は耳と鼻と喉のスペシャリスト

耳鼻科という診療科がどのような範囲を診ているのか、あまり一般的に知られていないように思います。

耳鼻科は正確には耳鼻咽喉科(じびいんこうか)という名称であり、耳や鼻に限らず喉の周囲に関しても専門的に扱う診療科です。

しかし、「耳鼻科」という名称が一般的に広まりすぎていて、喉のスペシャリストであることがいまいち知られていないように感じます。

喉の診察に関しては耳鼻咽喉科の方が詳しくできる

一般的なクリニックで内科医が喉に関して見て診察できるのは、口を開けてもらって見える範囲までです。

扁桃腺などが炎症を起こして腫れているかどうかは見えますが、それより奥を詳しく見ることはできません。

一方で耳鼻咽喉科では喉頭ファイバーなどの専門的器具を用いて、鼻の穴からより喉の奥まで観察してもらうことが可能です。


内科医が耳鼻咽喉科に相談するとき

私は内科医ではありますが、風邪で受診した患者さんであっても、自分で診察して必要があると判断すれば耳鼻咽喉科医に相談をします。

たとえばただの扁桃炎であれば一般的な内科で治療はできますが、炎症が周りに波及して膿がたまってしまうような場合には話は変わってきます。

このような場合を扁桃周囲膿瘍と呼びますが、扁桃周囲膿瘍であれば必要に応じて膿のたまっているところを耳鼻咽喉科医に切開してもらって膿を抜かなくてはいけません。

また、繰り返し扁桃炎を起こすようなケースでは、扁桃を取ってしまう口蓋扁桃摘出術という手術の適応になります。

こういった扁桃腺を取るような手術は耳鼻咽喉科医の専門分野になります。

他の例としては、鼻水の症状がひどいという場合には、副鼻腔炎(ちくのう症)などを考えなくてはいけない場合があります。

副鼻腔炎で炎症があまりに強い場合や、慢性的に炎症があって手術を考えなくてはいけないような場合には、耳鼻咽喉科医による診察が必要となります。

ここに挙げたのは一部の例にしか過ぎませんが、風邪だと思う症状であったとしても、背景に隠れている病気が内科ではなく耳鼻咽喉科の専門となる場合があることを知っておいていただければと思います。

風邪は何科にかかるべきなの?

じゃあ風邪ならすべて耳鼻咽喉科がよいの?

じゃあ風邪ならばすべて耳鼻咽喉科がよいのかというと、そういうわけではありません。

たとえば、咳がひどくて肺炎などが疑われる場合には、内科にかかったほうがよいといえます。

聴診やレントゲンによる肺炎の診断と治療は、耳鼻咽喉科ではなく内科が得意とする領域です。 実際に耳鼻咽喉科の先生から肺炎が疑われるからということで、患者さんをご紹介いただくことも多々あります。

内科と耳鼻咽喉科で、扱う病気は当然ながら違ってくるわけで、風邪であってもこの点を踏まえて診療科を選ぶことが大事です。

症状に応じて使い分けるのがよい

しかしそもそも風邪というものは、多くがウイルス性の炎症であり、薬では治りません。

風邪で病院にかかる意味は、症状を抑えるための薬を処方してもらうことと、ただの風邪ではないかどうかを確認してもらうことにあります。

そして風邪でかかるのに内科と耳鼻咽喉科のどちらがよいかということに、明確な決まりはありません。

最初にどちらにかかるべきか迷うような場合には、自分の症状がただの風邪ではなかったとしたらどちらにかかるべきかを考えてかかるとよいといえます。

一概には言えませんが、喉の痛みがあまりにひどいという場合には耳鼻咽喉科の方が適していることが多いですし、咳がひどくて肺炎かもしれないという場合には内科の方が適しているといえるでしょう。

しかしいずれにしても、最初にどちらかにかかってしまえば、医師の診察によって適した診療科を教えてもらうことができますので、遠慮して病院にいかないということのないようにしていただければと思います。

あなたの症状はどっちですか?

まとめ

耳鼻咽喉科は耳や鼻に限らず、喉に関しても専門的に扱う診療科になります。

そして風邪で病院に行く場合には、自分の症状がただの風邪ではないかどうか診てもらうには何科が適しているかという視点で考えることが重要です。

そういった視点を持っておくと、内科にかかるべきか耳鼻咽喉科にかかるべきか分かりやすくなるかと思います。