きちんと言えます?自分の家族の病名を知っておくことの大切さ

ご家族がどんなご病気をお持ちか知っていますか?

今日は外来の問診で思うところがあったので少しそのことについて書きたいと思います。

さて、問診で医者が患者さんに必ず聞くことの一つに、患者さんのご家族がなにか病気をお持ちでないかという質問があります。

この質問に対して正確に医師に答えることは、あなたが遺伝的な病気を持っている可能性があるかどうかを医師に考慮してもらう上で、とても大切です。

しかしそれだけにとどまらず、ご自分のご家族の病気をきちんと知っておくことは、良好な家族関係のためにも大切なのではないかと考えています。


家族の病名まできちんと覚えている人はとても少ない

私の経験上、ご家族の病名をちゃんと覚えている人ってわずかです。 多くの方が「よく覚えていない」とか「心臓の病気だったみたいだけど病名まではちょっと・・・」とかあいまいなことしか覚えていません。

ご家族の病名は自分の病気の診断に役立つ情報かもしれないので、せっかく病院に来たのにそういった大切な情報が抜けたまま診療を受けるのは、すごくもったいないと思っています。

しかし、ご家族がどのような病気にかかったことがあるのか、意識しておかないと正確に覚えておくことは難しいと思います。 一度、ご家族のかかったことのある病名を聞いて、整理しておくことをお勧めします。

大した病気ではなくても「病気は病気」

患者さんのご家族の病気を聞いて、「特に何もないですよ」といっていった人が、遺伝性の特殊な糖尿病だったという経験があります。

あとで詳しく聞きなおしてはじめて、「そういえば母は入院や手術したことはないけど、糖尿病で薬を飲んでいると言っていたかもしれない」と教えていただきました。

はじめからもっと詳しく聞くべきであったと後悔した実例です。 しかし、患者さんにも入院したり手術を受けたりということだけが病気ではないことを知っておいていただきたいと思っています。

ご家族が普段から薬を飲んでいるとか、健康診断で異常といわれたことがあるというのも病気の診断にとって大切な情報なのです。


家族の病気を知っておくことは家族関係においても大事だと思う

ご家族のご病気をきちんと知っておくことは、病気の診断のためだけに役立つわけではありません。

たとえば患者さんが入院すると、主治医は病状の説明のために患者さんのご家族を呼びます。

そこで、医師からご家族に対して、患者さんの病気について「入院する前から〇△さんは普段から高血圧や糖尿病があって薬を飲んでいらして・・・」と最初から詳しく説明します。

すると、「えっ、そんな病気を持ってたの?」というご家族がいます。 ご家族の中で病院にかかっていることについてお互いに詳しい情報を共有していないこのようなケースが非常に多いことが気になっています。

人それぞれ事情があるのかもしれませんが、よほど特別な理由がない限り、ご家族でお互いに病気の情報を知っておいた方がよいのは間違いありません。

なぜならば、急な入院の時にはじめて病気について詳しく知ることになるのは、ご家族にとってはとてもショックなことになるかもしれないからです。

場合によっては家族に病気を隠していたと受け取られてしまうかもしれませんので、そうなると後々の家族関係にとってもあまりよくありません。

病気で入院することになればご家族にいろいろと助けてもらうことになるわけで、普段から病気の情報を共有しておくことは良好な家族関係にとって非常に大切だと思います。

ですので、自分が家族の病気を把握しておくことだけではなく、自分がもし病気を持っていればそれを家族に詳しく説明しておくことが大事です。

あなたの病気についてご家族はご存じですか?

きちんとお互いの病気について知る機会をつくる

普通に生活していると、ご家族がかかったことのある病気や今かかっている病気について、正確な病名なども含めて詳しく知る機会はあまりないかもしれません。

それでも病院にいくときに、一度でもよいので誰かご家族がつきそって病院にいくというだけで、だいぶ共有できる情報が増えます。

あなたは誰と病院にいきますか?家族の付き添いが大切な理由

ご家族の誰かが病院にいくとき、可能であれば必ず付き添ってあげたほうがよいでしょう。あなた自身がかかる場合も、一人で行って帰ってくるよりも、病院を受診するときはなるべくご家族と一緒に行ったほうがよいです。「付き添いは荷物を持ってあげられる」とか「いろいろ手伝ってあげられる」ではなく、病院への付き添いには他に大切な理由があるのです。

診察室に一緒に入って医師からの説明を一緒に聞くことで、ご家族で情報を共有することが簡単になり、普段からお互いの病気について把握しておくきっかけにもなります。

また、健康診断の結果が返ってきたときに、その情報をご家族で共有するようにすることも大事です。 健康診断で異常がひっかかっても自分だけでは放置しがちになるのを防ぐことにもつながります。

別居している高齢のご両親など難しいケースもあるかもしれませんが、普段離れて住んでいるのであれば、そういった情報を共有することは余計に大切になってきます。

ですのでご家族の中で、お互いの病気について詳しく知る機会というのをつくることをお勧めします。

まとめ

普段から意識しておかないと、入院でもしない限りご家族の病気について詳しく知る機会は少ないと思います。

しかし、ご家族の病気についてしっかり知っておくことは、自分が病院にかかるときにも役立ちますし、ご家族に万が一のことがあったときにも重要です。

そしてなによりお互いの病気について知っておくことは、良好な家族関係にもつながるとても大切なことだと思うのです。

普段から情報を共有しておくため、また、万が一のときのために

①自分の家族が過去または今現在どんな病気をもっているのか

②医師に尋ねられたらその病名を正確に答えられるか

③自分が病気を持っている人は家族が代わりにその病名を医師に説明できるか

という3点を一度確認していただければと思います。