「眠れない」は何科にかかるのが正解か|不眠症の様々な原因について

寝たいのに寝れない!

眠れないから睡眠導入剤をくださいといって診療所にいらっしゃる方がけっこういます。

しかし眠れないのであれば睡眠導入剤を飲めばいいかというと、そういうわけではありません。

眠れない原因がなんなのかを調べて、それをまず改善する必要があるからです。元となる原因を改善しないことには、良質な睡眠は得られません。

ここでは、眠れない原因となる病気や状態、そして相談するべき診療科について説明したいと思います。


まず環境のせいで眠れていないのではありませんか?

たとえば、暑くて寝苦しいとか、寒くて眠れないとか、環境的な要因で眠れない可能性がないか必要があります。

温度の問題だけでなく、周りの音で気になって眠れないなどの原因も確認しなくてはなりません。

環境の問題であれば、睡眠導入剤を飲む以前に、環境を改善すれば眠れるようになるかもしれません。

体には問題がないのに、周りの問題のせいで薬を飲むというのはできれば避けたいところです。

まずなぜ寝れないのかが大事なのです

生活習慣のせいで眠れていないのではありませんか?

ひょっとしたら、もしかしたらあなたが眠れないのは時差ボケのせいかもしれません。

別に海外旅行に行ったわけではないから時差ボケであるはずないと思われるかもしれません。 しかし、時差ボケは海外旅行以外での原因でも起こり得ます。

夜勤のある職業の方であったり、そうでなくても生活リズムが乱れたりすることで、寝たいのに眠れないという症状が起こり得ます。 医学的には、これを概日リズム睡眠障害といいます。

概日リズム睡眠障害は学生では不登校の原因にもなったりするので、適切な治療が大事です。 概日リズム睡眠障害はどのようにリズムが乱れているのかによって、治療や有効な薬が変わってきます。

思い当たる方は、睡眠障害外来などの専門外来で一度相談することをお勧めします。


薬の副作用のせいで眠れていないのではありませんか?

一部の血圧の薬や一部の胃薬など、不眠を引き起こす副作用がある薬というものがけっこうあります。

眠れない原因がもし薬であるのならば、薬を減らしたり他の薬に変えたりということも大切な選択肢になります。

なにか薬を飲んでいるという人は、自分の飲んでいる薬を正確に医師に伝えられるものを病院に持っていくようにしましょう。

眠れない原因が薬を減らしたり変えたりで解決すれば、睡眠導入剤で余計に薬が一種類増えるのを避けることができます。

眠れない原因が他の病気にあるのではありませんか?

当然ながら、眠れない原因がほかの病気やそれによる症状であることもあります。

たとえば腰が痛いせいで眠れていないのであれば、その腰痛に関してまず調べる必要があります。

今現在、睡眠の妨げとなっている痛みやかゆみなどの症状があれば、そちらに対する治療をしっかりとしないことには、良質な睡眠は得られません。

腰痛であれば整形外科を相談して、腰痛の原因が何か、腰痛はどのようにすれば軽減するかを相談するのが大切です。

また、足がむずむずして眠れないレストレッグス症候群や、足がピクピク動くので眠れない周期性四肢運動障害など、不眠を起こすことでよく知られている病気もあります。

こういった足のむずむずやピクピクが出て眠れないということであれば、神経内科で一度相談してみることをお勧めします。

他には、夜トイレによく起きるせいで睡眠不足ですという方もいるかもしれません。この場合には泌尿器科も相談する選択肢となるでしょう。

ただ単に眠れないというわけではなく、他に気になる症状があってそのせいで眠れないのであれば、睡眠導入剤を飲んでも根本的な解決にはなりません。

その症状にあわせた診療科を受診するのがよいといえます。

日中眠くありませんか?

ひょっとして寝ているときにいびきがうるさいと言われていませんか?

夜中よく眠れない、起きてしまうという方の中に、睡眠時無呼吸症候群という病気の方が少なからずいらっしゃいます。

夜寝ているのに、呼吸が一時的に止まってしまっているせいで、十分に休めずに日中も眠気が続いたりするのが睡眠時無呼吸症候群です。

いびきがうるさいと言われたとか、よく夜中に呼吸が止まっていると言われたとか、思い当たることがある人は、専門の外来を受診することをお勧めします。

睡眠時無呼吸症候群は、主に呼吸器科や耳鼻咽喉科が診療している病院が多いようですが、睡眠外来やいびき外来という名前で診療している病院もあります。

担当科が病院によって異なる場合がありますので、前もって確認の上、受診をしていただければと思います。

心の病気によって眠れないのではありませんか?

うつ病、躁病、躁うつ病、不安障害から統合失調症まで、多くの精神疾患で不眠という症状がでてきます。

眠れなくなるようになる前から、非常にストレスを感じていただとか、不安で眠れないとか、最近とにかく物事にやる気がでないとか、自分がいやになるとか、最悪死にたいと思うこともあるなど、思い当たるようなことがあるのであれば、一度心療内科や精神科での相談をお勧めします。

こういった精神疾患では、眠れるように薬を飲むだけではなく、その精神疾患自体に対する専門的な治療が必要になります。

良質な眠りを手に入れましょう!

まとめ

眠れない原因は様々であり、それぞれに合った対応が必要となります。 「眠れないから眠れる薬を飲めばいい」という考えは間違いです。

上記に書いたような原因に思い当たることがある方は、一度それぞれの専門科で相談することをお勧めいたします。

参考文献)
内山真 編集 睡眠障害の対応と治療ガイドライン 第2版
吉田祥ら 精神症状の見方と対応 睡眠障害 臨牀と研究 89(9):1169-1173:2012

こちらの記事も読まれています

  • 記事はありません。