診察室あるある事例:内科医は女性のワンピースが苦手である
女性の診察に関しては、常にセクハラの問題がつきまといます。とくに女性の聴診は、多くの内科医が頭を悩ませている問題でもあります。
以前、女性の聴診についての現状をまとめた記事を書きました。
医者側としては、とにかくセクハラと受け取られないよう、細心の注意をはらっているのですという話なわけですが、この件に関して女性の患者さん側の服装が問題になってくるケースがあります。
それは、女性の首周りの狭いワンピースです。この服装でいらっしゃる患者さんの診察は、男性医師にとって非常に難しくなります。
ワンピースはまくり上げられない
通常の胸の聴診では、上半身の服をまくってもらって聴診器を当てるのですが、ワンピースはまくり上げるとけっこう大変な格好になってしまいます。
セクハラだと少しでも思われたくない男性医師側としては、聴診のためにワンピースを全部まくってもらうなんてことは、できればしたくありません。
そこで、首側から聴診器をいれて聴診することを試みるわけですが、ワンピースの中には首周りが細いうえに上半身側を開けないタイプのものもあります。
photo by fervent-adepte-de-la-mode
いわゆる、頭からかぶってそのまま着るようなタイプのやつです。これが非常に困ります。上の写真見たいなやつです。
このような服装で、足側からも首側からも聴診器を入れられない場合、やむなく服の上から聴診するとなってしまう可能性もあります。
こういう服装でいらした女性の聴診は、どうすればいいのかいまだにわかりません。しかし、こういうワンピースでいらっしゃる女性の患者さんは実際にいらっしゃいます。
正直なところ、もし「私はこうやっています」というドクターがいたら教えていただきたいところです。
ワンピースではやむなく服の上から聴診?
女性の看護師が外来で常に横にいてくれればいいのですが、必ずしもそうではありません。
さすがに診察室で1対1の状況で、上のような服装の方の聴診を、首回りから聴診器をいれたり、まくってもらって聴診したりという気にはちょっとなりません。
しかし、冒頭に載せた記事にも書いたように、服の上からの聴診では、雑音は聞こえにくくなりますので、きちんと聴診したとはいえません。
「この人はなぜ病院にこんなおしゃれな服装で来たのだろう・・・」と悩みながら、最終的には服の上からの診察で終わってしまった経験も、実際のところあります。
病院には診察をうけやすい服装でいったほうがよい
外出先に急に体調が悪くなったという場合には仕方がないのかもしれませんが、家から病院に行く場合には、自分の服装が診察のしやすい服装かどうかも考慮してもらえると、医者側としては非常にありがたいです。
上のワンピースの話に限らず、また、男性女性限らず、診察時に困る服装で来る患者さんというのがけっこういらっしゃいます。
内科的診察を一通りとなると、足のむくみとかも見るわけですが、足の診察をしようとすると脱ぐのにすごい時間のかかるブーツを履いていらっしゃるケースもあります。
あとはタイツをはいているので足を出すためにはタイツを全部脱ぐ必要がありますみたいな場合もけっこう困ります。
また、高齢の患者さんですと、上着のボタンをはずすだけで3-4分かかって、診察が終わって上着のボタンをとめるのにまた3-4分、ボタンを掛け違えたのでやりなおしてまた3-4分、なんてこともあります。
病院にかかるときには、家を出る前にちょっとだけでも服装のことを考えてもらえると助かります。
まとめ
病院での診察には、聴診だったり、おなかの診察だったり、足のむくみの診察だったり、服装によっては難しくなってしまうものがあります。
外出先で体調をくずした場合には仕方ありませんが、家から病院に来るという場合には、ご自分の服装が診察のときに問題にならないかどうか、少しだけでも考えてもらえると、医者としてはありがたいです。
また、服装について注意していただくことで、最終的に診察における患者さん自身の不利益をさけることにつながると思われます。
※この記事内の写真のような服装の女性に対して、どのようにしたらセクハラと感じさせないように聴診できるか、ご存知のドクターがいらっしゃったらぜひとも教えてください。