シダトレン舌下薬をやってみるか花粉症持ちの内科医が考えてみました

entry_img_26.jpg

2014年10月以降の話ですが、花粉症を根治する治療薬であるシダトレンスギ花粉舌下液という薬が発売されます。

通常の治療法が抗アレルギー剤でアレルギーの症状を抑える対症療法であるのに対し、この舌下薬は減感作療法と呼ばれる花粉症根治のための治療薬です。

どのようなメカニズムなのかというと、要はスギ花粉のエキスを長期にわたってちょびちょび摂取してもらい、スギ花粉に慣れることでアレルギーじゃなくしてしまおうという方法です。

私も花粉症持ちでこの治療法には興味があったので、実際に自分がやるべきかどうか調べてみました。


治療期間は最低2年とけっこう長い

現在のところ、治療の適応となるのは12歳以上と規定されています。そして治療に必要な期間は2~3年とのこと。

新薬は発売されてから1年間は2週間しか処方できないので、最初の1年は2週間に1回は通院しなくてはいけないようです。

私はいつも病院にいるから通院の手間は省けるものの、それでも2週間に1回薬をもらいに外来に行くのはけっこうめんどくさいかなぁという印象です。

社会人で2週間に1回の通院となると結構な時間的負担です。しかも、当然のことですが充分な効果を得るためには決まった量を継続的に毎日摂取する必要があります。

途中で服用が途切れるのは望ましくありません。 しかし、自分にとっては命に関わるような病気の治療薬ではないという問題があります。

それなりのやる気がないとなかなか続かないのではと思います。

効果のある人は治療をうけた人の70%

東京福祉保健局の臨床研究の報告書を見てみると、治療を継続した人のなかで多少なりとも効果があった人も含めて有効と評価されたのは70%ほどでした。

しかも調査の途中でやめちゃった人というのが結構いるようで、30%くらいの人がドロップアウトしています。この途中でやめた人を含めて、有効だった人を計算しなおすと治療が有効だった人は全体の50%ほどです。

そもそも、シダトレンの添付文書を見ると服用方法が舌の裏に2分間ため込んだのちに飲み込むというもので、通常の内服薬よりも手間がかかるわけです。 臨床研究のデータでどれくらいの人がきちんと正しく服用できていたのかのデータも欲しいところです。

やはりきちんと続けるのがなかなか難しいようで、その上最終的に効果が絶対出るわけではないことも理解しておく必要がありますね。


治療にかかる費用はどれくらいか

自費での舌下免疫療法を行っている医院も多く、費用を見てみますと年間7万円という記載がありました。

病院ごとに異なるかと思われますが、保険適応になりこれの3割負担と考えるとだいたい年間2万円前後でしょうか(あくまで推定です)。

(※2014年9月2日追記 シダトレンは2014年8月27日に薬価収載され、維持期の2000JAU/mLパック(1日分)が1包100.80円だそうです。おおざっぱな計算だと薬価だけで1日100円、1ヶ月で300円、1年間治療すると36500円、保険で3割負担だと11000円で、これに処方料やら再診料やらが追加されるという感じですかね。)

うーん、保険適応でもそれなりにかかるなーという感じでしょうか。

すべてのクリニックで可能な治療ではない

このシダトレンはどの病院でも処方可能というわけではなく、アレルギー専門医であり且つシダトレンの処方の講習会を受けた医師でないと処方できないようで、治療ができる病院は限られるようです。

アレルギー関係の特殊な薬は、アナフィラキシーなどの副作用のリスクを考慮して(すべての処方薬がアナフィラキシーの危険はもっているはずなのですが)厳しい取り扱いになっているのでしょうか。

アナフィラキシーの治療に用いるエピペンですら登録しないと処方できなかった記憶があります。 まず治療ができるクリニックを探さなくてはいけないわけですね。

私はうちの病院でもできるのかどうかを確認しなくてはならないということです。ちなみに私はアレルギー専門医ではないので処方できないようです。

5551.jpg

まとめ

現時点では、うーん手間もかかりそうだし今はやらなくてもいいかなぁというのが感想です。

ただ、花粉症が生活に与える悪影響が大きい人(普段の症状があまりにひどくて日常生活がおくれないくらいの人とか、仕事上屋外で高いパフォーマンスが求められるスポーツ選手とか)だったら考慮するのかなという印象です。