病院の選び方|通院するのに遠くの大きい病院を選ぶべきか?

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病院を選ぶ際に、家から病院の距離は重視して考えるべきでしょうか。 治療や手術の実績や、有名な医師がいるといった利点にまず目がいきますが、どれだけ通院しやすいかということも同等に考慮するべきと私は考えます。

通院し始める前にはあまり気にならないのですが、近く通院するという利点が後々非常に大きな利点となってきます。


通院にかかる労力を考えておく

電車や車で一時間以上かかるのであれば、通院の労力は相当なものです。なにより、本当に調子の悪い時にかかりつけの病院にいくのが遠くなので大変というのは問題です。

また、特に高齢者では、長距離の通院自体が転倒や骨折のリスクとなりますので可能であれば長距離通院は避けたほうがよいでしょう。

元気なときに通院の労力を考えるとそんなに気にならないのですが、調子が悪くて病院にいくのが大変という状況でも、せいぜいタクシーを利用して簡単にたどり着ける距離というのが理想です。

かかりつけの病院が非常に遠いと、本当に具合が悪いときに容易にかかることができないという状況が出てきてしまいます。

よい治療を受ける目的で遠くの大きい病院を選んだとしても、調子の悪い時には結局ふだんとはちがう近くの病院にかかるのでは異なる病院間での情報共有が困難になり、受けられる医療の質が下がってしまう可能性があります。

救急車を呼ぶときのことを考えておく

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調子が急に悪くなって救急車を呼ばなくてはいけない場合、あまりに距離があると救急搬送が難しいケースがあります。

基本的に救急車を呼ぶ前には、かかりつけの病院に電話で連絡を入れて、長距離の搬送でも受け入れてくれるか確認しなくてはいけません。

しかしその場合でも連絡を受けた医師が緊急性が高いと判断すれば最寄りの医療機関へ搬送してもらうように患者さんに指示します。

そして一旦その病院に入院したあとに、必要であれば後日状態が落ち着いてからかかりつけへ転院ということになります。

例外として、大学病院や専門病院で非常に高度な治療を受けている場合で、電話での会話で医師が長距離の搬送に耐えうると判断し、その病院に直接搬送されることで患者さんが受ける利益が大きいと判断した場合のみ、長距離搬送を受け入れるということになります。

救急隊は緊急の状態であるということを考慮した上で最寄りの救急施設に迅速に患者さんを搬送することを目的としています。

一刻を争う状態ということであれば、結局最寄りの病院に搬送せざるを得ません。 近くに救急搬送を受け入れているかかりつけの病院であれば、このような問題を避け、万が一のときの対応がスムーズになります。


家族のサポートを得やすい距離か考えておく

通院や入院では、家族のサポートを得やすいかどうかということも重要です。調子の悪い時に付き添ってくれる人がいるのといないのとでは負担も大きく変わってきます。

入院した時に家族が付き添いやお見舞いに来やすい距離かどうかというのも考えておくべきです。入院すると自分でいろいろすることができなくなるので、付き添いの方にいろいろと頼らざるを得なくなります。

また、病状に急な変化があり、医師からの治療方針の説明をする場合に、時間的な制限があれば、遠方だと家族への連絡を電話で済まさなくていけなくなってしまいます。

その場合、家族内での情報共有を保つことが難しくなり、家族が患者さん本人をサポートすることに対してモチベーションを保ちにくくなる可能性があります。

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まとめ

以上のことから、私は病院を選ぶ際に、家からの距離というものをその病院の治療や手術の実績などと並べて考えるべきと思います。

患者さんが受けられる医療の質というものは医療者側以外の要素でも変わりうるため、それをあらかじめ考慮しておかなくてはなりません。