医療電話相談を使うときに|あなたの症状の上手な伝え方マニュアル

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夜や休日に救急外来にかかろうとするとき、または自治体の医療相談窓口などを利用するときなど、電話で自分の症状を相手に説明しなくてはいけないという状況があります。

実際に医師を前にして自分の症状を伝えるのに比べ、相手の顔が見えない電話ではなかなか伝わりづらいことも多く、効率的に本当に自分が伝えたいことを伝えるのは難しいです。

そこで、電話医療相談を行う際の効率的かつ効果的な症状伝え方を順番に説明します。


① あなたが患者本人なのか、そうでないのかをまず伝える

電話での相談でよくあるのが、いろいろと話をしているうちに「あ、これは私じゃなくて家族の話なんです。」というパターンです。

話している相手が困っている本人なのか、代わりに相談している人間なのかを取り違えられていると会話のつじつまが合わなかったりして効率的に伝えたいことが伝わりません。

電話ではまず最初に「私本人のことなのですが」とか「具合が悪いのは私の父親で代わりに電話しているのですが」とスパッと相手に伝え、自分のことかそうでないのかをわかってもらうのが大切です。

② 次に年齢と性別を伝える

次に、具合が悪くて困っているのがあなたであればあなたの年齢と性別を、代理で相談しているのであればその具合の悪い方の年齢と性別を相手に伝えます。

電話の一番の問題に相手の顔が見えないという点がありますので、最初に年齢と性別を伝えることでこちら側がどんな人間なのかを相手に想像させます。

医療において症状から想像する病気の種類に関しては、年齢と性別というものが非常に重要です。 例えば腹痛であれば、70歳の男性の腹痛と20歳の女性の腹痛では想像する病気がだいぶ違ってきます。

70歳の男性であれば動脈硬化や加齢によって起こりやすくなる病気を想定しなくてはいけませんが、20歳の女性では産婦人科的な腹痛までも想像しなくてはいけません。

通常の診察では顔が見えるので口に出して説明する必要はありませんが、電話ではまずあなたがどんな人間なのかを相手に伝えなくてはいけないのです。


③ 一番困っている症状を伝える

あなたが患者本人かそうでないのかと、年齢と性別を伝えたら次に一番困っている症状を伝えてしまいます。

この段階で一番困っている症状を伝える前に、普段持っている病気のことや症状が出てくるまでの時間経過から話してしまいがちですが、それではあなたがなぜ電話してきたのか、相手はまだわからないままです。

ですので、相談したいことに関して説明するときの一番最初に、あなたが一番困っている症状をスパッと伝えてしまい、相手にこちら側の状況を想像させてしまうのです。

例えば「お腹が痛いことでの相談なんですが」とか「めまいがするのですが」と簡素に相談したい要件の主題を伝えてしまいます。

ここまでの①→②→③の流れは時間にして数十秒くらいですが、既にこちら側がどんな状態なのか相手にだいたい伝わってしまいます。

相手はあなたの状況を電話口で想像し、これからどんな質問がくるのか、どんな質問をするべきかをについて頭の中で備えることができます。

④ 症状を時間経過に沿って説明する

そして次に、一番困っている症状を時間経過を追って最初から説明します。③で伝えた一番つらい症状について、それがいつから始まったのか、その後今に至るまでどのように変化しているかを説明しましょう。

また、時間経過の説明では、ほかに困っている症状があれば時間経過ごとにそれについても説明します。

例えば腹痛であれば、③で「お腹が痛いことの相談なんですが」と伝えたあとに、「昨日の夕方からお腹の胃のあたりがムカムカ痛いような感じがでてきて、夜中にはだんだんお腹の下の方も痛くなってきて、熱もでてきました。今はお腹の右下のところが一番痛いです。」というように、時間ごとに状態を説明すると一番伝わりやすいです。

⑤ もともと持っている病気について説明する

なにか普段からもっている病気があれば、一通り相談したい症状について説明したあとに追加します。

③の段階で最初に説明してしまってもよいですが、もともと持っている病気の説明が長くなる場合に、なかなか主題にたどり着かなくなってしまいます。

一番困っている主題について説明したあとに追加するほうが、あなたの相談したい主題がぼやけずにきちんと伝わります。

この段階でこれまでかかった病気や手術を受けたことがあればそれについて説明しましょう。

⑥ 飲んでいる薬について説明する

あなたが飲んでいる薬があれば、ここで説明します。具体的な薬剤名がわかればよいですが、そうでなくても「血液がさらさらになる薬を飲んでます」とか「熱冷ましを飲んでます」といったくらいでも充分大切な情報となります。

薬の情報は非常に大切です。特に、最近飲み始めた薬などがあれば症状に関係しているかもしれないので、その情報を相手に伝えることは必須です。

まとめ

① あなたが患者本人なのか、そうでないのかをまず伝える

② 次に年齢と性別を伝える

③ 一番困っている症状を伝える

④ 症状を時間経過に沿って説明する

⑤ もともと持っている病気について説明する

⑥ 飲んでいる薬について説明する

この一連の①~⑥の流れであなたの困っていることを説明すると、顔の見えない電話であっても相手に非常に伝わりやすくなります。

ここに記載した説明方法は、実際に医療現場で医師が行うプレゼンテーションやカルテの書き方、救急隊の病院への電話連絡でも用いられているものです。

短時間に効率よく相手に医療情報を伝えるゴールデンスタンダートとなっています。

特に、この中で最重要なのは最初の①→②→③のところです。これをするかしないかで情報の伝わり方は大きく変わります。

医療の電話相談でなかなか自分の伝えたいことが伝えられなかったという経験をお持ちの方は、ぜひ今後機会があれば試していただきたいと思います。