アコチアミドは本当に効くのか|原因不明の胃もたれの新しい治療薬

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胃痛胃もたれ胸やけなどの胃の症状で来られる方、非常に多いです。

もしあなたがそのような症状で悩んでいるのであれば、一度内科または消化器内科を受診することをおすすめします。

そういった症状の人の中には内視鏡検査で胃潰瘍や逆流性食道炎といった病気が見つかることが多いのですが、中には検査で異常がまったく見つからないという人がいらっしゃいます。

そのような、検査で異常が見つからないのに胃部の不快な症状が出る病気を機能性ディスメプシアと呼びます。

これまで病気の実体がなかなかつかめなかったこの機能性ディスペプシアに対して、2013年からアコチアミド(商品名:アコファイド)という新薬が登場して話題になっています。

これまでに強力な治療がなかっただけあって注目されているのですが、実際どれくらい効くのでしょうか。自分の勉強も兼ねて調べてみました。


機能性ディスペプシアストレスから来る胃の異常反応

機能性ディスペプシアストレスに対する消化管の反応から来ていると言われています。

そのため、胃潰瘍など病気の実体がはっきりしている病気とは異なり、なかなか有効な治療がなく、症状を改善するのが難しいのが問題でした。

命に関わる病気ではないのですが、困ったことに機能性ディスペプシアと考えられる患者さんの数はかなり多く、日本人成人の10%~20%(参考文献1)といわれています。

さらに、機能性ディスペプシアでは実際に症状が出ると日常生活に支障がでるほど具合が悪くなってしまう人もいるので、有効な治療法が待ち望まれていました。

これまでの治療は胃酸を抑える薬が中心

これまで治療の中心となっていたのは、胃潰瘍などに対する胃酸をおさえる治療薬や胃の動きをよくする薬が中心であり、一般的に用いられてきましたが、その効果に関しては有効とする報告とあまり効かないとする報告があり、確定的に効果がある治療というものは確立されていませんでした。

また、他にはピロリ菌を除菌する治療や、精神科で使われるような抗うつ薬抗不安薬も用いられてきました。さらには催眠療法のような心療内科的な治療が有効であったケースもあるようです。

つまり、病気の実体がつかめない状態で、いろいろな治療が試されていたというのが現状でした。命には関わらないものの、治療が非常に難しい病気の一つといえるでしょう。


アコファイドは世界初の機能性ディスペプシアの薬

アコファイドは末梢の神経組織に存在するアセチルコリンエステラーゼという酵素を阻害することで,胃の運動を改善し、食後の膨満感や早期満腹感などの不快な症状を改善する薬です。

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ちなみに副作用としては下痢、便秘、悪心、嘔吐などが起こるようで、こちらにも注意が必要です。試してみて症状がでるようであれば、主治医に相談するようにしましょう。

臨床試験での結果は、症状が改善したと感じた人はプラセボ(偽薬)を飲んだ人で3割程度、アコファイドを飲んだ人では5割程度でした(参考文献2)。

ストレスからくる病気だけあって、プラセボでも3割も改善しているのが興味深いところです。そして実際にアコファイドを飲んだ人では2人に1人が効いたと感じているようです。

逆にいうと薬を飲んでも2人に1人は効かないわけですが、それでもこれまでいろいろ治療しても効かなかった人は試してみる価値はありそうですね。

気になる方は内科や消化器内科のクリニックで一度相談してみてはいかがでしょうか。

参考文献1) J Gastroenterol Hepatol.2001;16(4):384-388.
参考文献2) Gut.2012;61(6):821-8.