アキレス腱と心臓病|アキレス腱が太いと心筋梗塞になりやすい?

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中性脂肪やコレステロール値が異常であることを脂質異常症といいます。中性脂肪やコレステロール値は健康診断を受けて採血検査をすれば、必ず項目に含まれているはずです。

なぜ必須の項目になっているかというと、これらの値が高い人は将来的に心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなることが知られているので、注意が必要なのです。

この、コレステロールが遺伝的に高くなってしまうという人がいて、近年注目されています。こういった方はまぶたに黄色腫と呼ばれる黄色いできものができたり、アキレス腱が太く肥厚したりという特徴がありますので、そのようなものがある方は病院で検査を受けることをおすすめします。

ここでは具体的に遺伝的にコレステロールが高い家族性高コレステロール血症という病気について説明していきたいと思います。


悪玉コレステロールは血管の中のゴミ

まず、悪玉コレステロールについて説明します。採血でLDLという名前で出てくる数値が悪玉コレステロールを指していますが、わかりやすく言ってしまうと、これは血管の中のゴミにあたります。

悪玉コレステロールが高いとは、つまり血管の中にゴミが多いことを指します。血管の中にゴミが多いと、このゴミが長い時間をかけて血管の壁にたまっていくので、血管の中が細くなって詰まってしまうのです。

心臓を栄養する血管が詰まれば、心筋梗塞になります。また、脳を栄養する血管が詰まれば脳梗塞です。 これらの怖いところは、実際に心筋梗塞、脳梗塞になるまで症状が見られることはほとんどなく、血管のゴミだけが着々とたまっていっているというところです。

遺伝の病気コレステロールが高い人はより注意が必要

この悪玉コレステロールが高い人のなかに、家族性高コレステロール血症という遺伝の病気の人がいます。

これは悪玉コレステロールを処理する遺伝子に異常があって、悪玉コレステロールの値が非常に高くなってしまう病気です。

遺伝ではなくコレステロールが高い人にくらべて、この遺伝病の人は非常に若いうちから心筋梗塞を起こしやすいことで知られています。

実際に日本にはこの家族性高コレステロール血症の人が30万人またはそれ以上いるといわれており(参考文献1)、遺伝病といいながら決して珍しい病気というわけではないということがわかります。

遺伝子は誰でも同じものを2つ持っています。遺伝子は2つで1セットです。ですので、家族性高コレステロール血症の方は2つとも遺伝子に異常があるホモ接合型、1つだけの遺伝子に異常があるヘテロ接合型に別れます。

当然ホモ接合体の方が重症ということになります。しかしヘテロ接合型であっても、通常の人にくらべて心筋梗塞を起こしやすいことが知られています。


アキレス腱が太い人は要注意

当然のことながら、毎年健康診断をしっかり受けている人は、その結果のなかにLDLという悪玉コレステロールの値が入っているはずです。

もし、高いけど放置してたという人は、一度病院で相談するようにしましょう。 あれ、健康診断しばらく受けてないかも・・・という人は要注意です。

もし可能であれば、あなたのアキレス腱を触ってみてください。そして次にほかの方のアキレス腱もさわって太さを比べてみてください。 この家族性高コレステロール血症の人では、ホモ接合型の人の全例、ヘテロ接合型の87%でアキレス腱肥厚が認められたという報告があります(参考文献2)。

あれれ、ちょっとまって自分のアキレス腱太いかも・・・という人は、一度内科にかかって悪玉コレステロールの値を調べてもらいましょう。場合によっては、心筋梗塞の予防のために悪玉コレステロールを下げる治療をする必要があります。

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まとめ

悪玉コレステロールが高い人は、今は症状がなにもなくても将来の心筋梗塞を予防するために病院に行くことが大切です。

特にまぶた黄色腫がある人、アキレス腱太いは必ず悪玉コレステロールの値を調べてもらいましょう。

参考文献1) Athecrosclerosis 2011;214:404-407
参考文献2) J Atheroscler Thromb 2004;11:146-151