どういうときにどの内科にかかるべきなのか|専門内科の診療領域

entry_img_59.jpg

よく切り傷などで内科にいらっしゃる方がいますが、内科とは基本的には病気を診る診療科です。内科医は一般的に傷を縫ったり閉じたりということはあまりやりません。

しかし、一言に「病気を診る内科」といっても、現在では診療領域が細かく分かれていてどこへかかったらよいのかわからない方も多いかと思います。

そこで、ここではそれぞれの各専門の内科の種類、およびそれぞれがカバーする領域について説明していきます。


消化器内科

胸やけや吐き気、食欲の低下や胃痛、腹痛や下痢、血便などなど、消化管やお腹の症状がある場合は消化器内科へ受診しましょう。

消化器内科はその名の通り、消化に関わる臓器の病気を扱う内科です。 その扱う臓器は広範囲にわたり、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸などの消化管の病気に加え、肝臓、胆のう、すい臓などのお腹の中の臓器の病気全般の診療を行います。

具体例を挙げると、消化管であれば逆流性食道炎や胃潰瘍などの病気、他の臓器であれば慢性肝炎や急性すい炎などの病気の治療を行います。

消化器内科医は胃の内視鏡や腸の内視鏡の検査、また、内視鏡を使った治療も行います。

また、胃がんや大腸がんなどのがんの診断、抗がん剤治療などの手術以外の治療も行います。がんなどのケースで手術が必要ということになれば、消化器外科への紹介を行います。

循環器内科/心臓内科

胸が苦しい、胸が痛い、胸がどきどきする、息切れがあるといった症状がある人は循環器内科・心臓内科にかかりましょう。

循環器内科と心臓内科は同じ意味です。病院によっては循環器科となっているところもあります。

循環器内科専門分野は心臓・血管です。胸が苦しいといった狭心症や心筋梗塞などを含めた心臓病の治療、大動脈解離や大動脈炎症候群などの血管の病気を診療します。

心臓病の予防のための生活習慣病の治療から、心臓のカテーテルを用いた心臓病の治療まで行うのが循環器内科です。

心臓や動脈の病気で手術が必要ということになれば、心臓外科や血管外科への紹介を行います。

循環器という言葉があまり耳慣れない印象ですが、循環器は血液を循環させる臓器を指します。つまり循環器内科心臓血管内科という意味です。


呼吸器内科

咳やたんが出るのがつづく、息をするのが苦しいなどの症状がある人は一度呼吸器内科にかかりましょう。

呼吸器内科は呼吸に関わる気管、気管支、肺、胸膜などの臓器の病気を扱います。肺炎、肺気腫、喘息などの治療をする診療科です。

肺がんの診断や手術以外の治療も呼吸器内科が行います。手術が必要であれば呼吸器外科への紹介を行います。

また、病院にもよりますが睡眠時無呼吸症候群の診断・治療を行うのが呼吸器内科である病院が多いです。

いびきがうるさいといわれた、夜呼吸がとまっていることがあるといわれたというケースでは睡眠時無呼吸症候群を疑って呼吸器内科で診てもらいましょう。

神経内科

神経内科の対象となる症状は多彩です。 手足がしびれる、めまいがする、頭痛がひどいといった症状のほか、手足に力が入りにくい、歩くときにふらつく、物忘れがひどい、会話ができないなど、脳や神経の病気が疑われる症状がある場合に神経内科を受診しましょう。

神経内科は脳、脊髄、神経、筋肉の異常により不自由をきたす病気を診る診療科です。 異常の原因を同定し、脳腫瘍や脳動脈瘤で手術が必要であれば脳神経外科へ、末梢神経の物理的な損傷であれば整形外科へ、器質的な脳の異常でないのであれば精神科へ紹介するのも神経内科です。

腎臓内科

体がむくむ、血尿が出たなどの症状に加え、健康診断で尿の蛋白が出たとか、血圧が高いといわれたなどのケースでは腎臓内科で相談するのがよいでしょう。

腎臓内科はその名の通り腎臓の病気を扱う診療科です。腎炎や腎不全などの病気やそれに伴う血圧の異常を検査、診断し治療します。

腎臓にがんが見つかったり、結石で手術や処置が必要であれば泌尿器科への紹介も行います。また、透析の患者さんの診察も行います。

代謝内科/糖尿病内科

健康診断で糖尿病といわれた場合、またはのどが渇く、体重が減ってきた、尿の量が増えた、水を飲む量が増えたなど糖尿病が疑われた場合には代謝内科・糖尿病内科での相談がよいでしょう。

代謝内科・糖尿病内科では、生活習慣病である脂質異常症や糖尿病などの生活習慣病を含む代謝の異常の病気を診療します。

心筋梗塞や脳梗塞の疑いがあれば必要に応じて検査を行い、循環器内科や神経内科への紹介を行います。

内分泌内科

内分泌内科はホルモンの分泌に関わる異常を診療する科です。

健康診断で甲状腺の異常といわれたり、むくみがひどい、だるい、どきどきするなどの甲状腺の病気が疑われるケースも内分泌内科です。

具体的にはホルモンをつくる甲状腺、副甲状腺、下垂体、副腎などの内分泌機能の異常の病気を診療します。

血液内科

健康診断で白血球、赤血球、血小板に異常があった場合や、あざができやすかったり血がとまりにくかったりといった血液の病気が疑われる場合にかかる診療科になります。

血液内科は血液の異常を起こす病気を扱う診療科です。血液の異常の原因を診断し、白血病などの血液細胞のがんの抗がん剤治療や骨髄移植を行う科です。

また、病気で血液がうすくなる貧血の治療をしたり(朝礼で倒れる「貧血」は「失神」なので循環器内科・心臓内科のほうが適しています)、血小板の異常の病気の治療も行います。

感染症内科

ウイルス、細菌などのすべての病原微生物による感染症の診療を専門とする科です。 ほかにもエイズや輸入感染症などの一般内科医では対応が難しい感染症の診療を行います。

また、海外から帰ってきた場合の発熱などの場合は感染症内科の診療が必要となることがあります。

日本ではまだ感染症内科がある医療施設は限られており、他の診療科からのコンサルトを受け入れることも多い診療科です。

膠原病内科/リウマチ内科

いくつかの関節の痛みが続いたり、筋肉の痛みが続いたり、熱が続いたり、皮膚に紅斑がでたりなどの症状が複数でるようなケースでは膠原病が疑われます。

膠原病は全身の臓器や結合組織に異常を起こす病気です。膠原病は免疫の異常による病気、関節リウマチを含めたリウマチ性疾患、結合組織の病気が含まれます。

膠原病内科/リウマチ内科はこれらの膠原病の診断、治療を行う診療科です。 関節炎や筋肉痛の背景にこれらの全身性の病気が隠れていないかを検査、診断し、治療を行います。リウマチ内科という名前であっても、関節リウマチだけを診ているわけではありません。

心療内科

ストレスなどの外的要因が原因と考えられるさまざまな症状に対して、身体的かつ精神的側面から診断、治療を行う診療科です。

精神そのものに異常をきたす病気とは異なり、ストレスなどの環境的に要因によって体に不調をきたす状態を心身症と呼びます。

心療内科は精神科と混同されることが多いですが、心療内科が対応するのは統合失調症などの精神疾患ではなく、主にこの心身症と呼ばれる病態です。

これらの心身症の症状に対して薬で治療を行ったり、カウンセリングを行ったりする診療科になります。

総合内科

専門性が細分化し、特定の一つの内科の専門診療科が診るのが難しいような患者さんを、専門性を横断して診療するです。

各種の病気の初期診療から、一般的な病気の治療までもカバーします。 また、診断が難しい症状を検査、診断し、どの専門科に属するかの判断も行います。

病院によっては、それぞれの専門内科にかかる前の入り口的な役割をしていることもあります。

d79c57154446cf0042921e6d1b8fbfd1_s.jpg

まとめ

内科はこのように分かれていますが、当然ですがこの症状はこの専門内科にかからなくてはいけないという決まりはありません。

また、ここでは挙げた名前は完全にすべてを網羅しているわけではなく、一般的に多いと思われるものを使っています。病院によってはまた違った診療科名だったりすることもあります。

内科の病院にかかろうとするときに、あくまで参考までに知っておくとよいという感じでよいでしょう。

実際のところ、どの診療科にかかるか迷う場合は、とりあえずどの科でもよいからかかってしまうということで間違ってはいません。

大抵の内科医であればどの専門内科にいくべきかを診てくれますし、それが内科医の仕事でもあります。