長引く下痢は何科にかかればよいか|慢性下痢の原因について

entry_img_60.jpg

だらだらと長引く下痢に困ってしまうという場合、どうするべきなのでしょうか。

一応ですが慢性下痢の定義というものがあり、慢性の下痢というものは4週間以上つづく下痢のことをいいます。

しかし3週間だから慢性ではないとかそんな厳密なものではないので、下痢がずっと続くという場合は慢性の下痢について、消化器内科で診てもらうのがいいでしょう。

ちなみに急に下痢になったが数日~2週間程度でよくなったという下痢のほとんどは感染性のものであり、特に特別な治療は必要ありません。

急性の下痢については過去に

原因不明の急な下痢!何科にかかるのが正しいの?

急にひどい下痢にになって、食欲もなくなって、困ったというケースありますよね。 あまりにひどければ病院に行かなくてはいけませんが、では何科にかかればいいのでしょうか。

で説明しておりますので、ここでは慢性の下痢について説明します。

消化器内科や胃腸科であればかかる科としては間違いではありませんが、どんな病院がよいか、具体的にどんな原因が考えられるのかということについて説明していきます。


どんな消化器内科にかかるべきか

消化器内科や胃腸科と標榜している病院にかかればまずまちがいなく慢性下痢に対して適切な検査、治療をしてもらえます。小さな開業のクリニックでもよいですが、可能であれば腸の内視鏡をやっているところがよいでしょう。

腸の内視鏡は正しくは下部消化管内視鏡検査といいます。胃の内視鏡は口から胃カメラを入れていきますが、腸の内視鏡は肛門から入れていく検査です。

胃カメラを受けるときには前もって食事をとらないといった準備が必要ですが、腸のカメラはさらに下剤を飲んだりといった追加の準備が必要なので、胃カメラに比べて手間のかかる検査です。

開業のクリニックで胃カメラをやっているところは結構多いですが、腸のカメラまでやっているかどうかはきちんと確認した方がよいでしょう。

いやいきなりそんな怖い検査されたくないよ、という方がいらっしゃるかもしれません。

確かにすべての人がいきなり腸の内視鏡を受ける必要があるというわけではないですが、もし必要となった時に同じ病院で検査ができたほうがよいといえます。

ですから、最初から腸の内視鏡ができる病院にかかっておいたほうが、のちのちスムーズに検査が進むので、そのような病院を選んでおいた方がよいといえます。

次に慢性の下痢はどんな原因が考えられるかについて書いていきます。

機能性の下痢

慢性の下痢の原因は多岐にわたります。まず、過敏性腸症候群をはじめとする機能性の下痢です。

過敏性腸症候群は疲労やストレスによって下痢を起こすもので、検査では異常が見つからないものの、仕事に支障をきたす場合もあり近年問題となっています。

生活習慣や食事の改善や、腸の運動を整える薬といった治療がありますが、これらはすべて消化器内科の専門分野となります。

また、下痢に加えて自律神経失調症のようなはっきりしないけどいろいろつらい、だるいといった症状がある場合や、うつ傾向などの精神的な症状がある場合は心療内科の治療を必要とする場合もあります。


炎症性の下痢

炎症性の下痢というのはその名の通り、腸が炎症を起こしていて下痢をおこすものです。

具体例としては、潰瘍性大腸炎クローン病、頻度は少ないですが、腸結核アメーバ性大腸炎などが含まれます。

また、がんなどに対する放射線治療をした後に、腸がダメージを受けて下痢をする放射線性腸炎なども広義にはここに含まれます。

ここにはあまり聞いたことのない病名が並んでいるかと思われるかもしれませんが、決して少ない病気というわけではありません。

有名なところでは2015年11月現在首相を務められている安倍首相が自ら潰瘍性大腸炎であることを明かしています。

がんによる下痢

当然ですが、腸やそのほかの部分にがんができていることで下痢になるということがあり得ます。

たとえば大腸がん悪性リンパ腫が腸にできていることで下痢がおきることがあります。これらの診断のためには先にあげた下部消化管内視鏡の検査が必要です。

くすりによる下痢

一部の胃薬や痛み止め、糖尿病の薬など、副作用で下痢を起こすというものが結構あります。

もし、明らかにこの薬を始めてから下痢がはじまったというのであれば、主治医にそれを伝えて続けるかどうか相談をしましょう。

ずっと飲んでいた薬であっても、原因となっている可能性はありますので、消化器内科や胃腸科にかかるときにはかならず今現在どんな薬を飲んでいるのかわかるようなもの(お薬手帳など)を持っていく方がよいといえます。

吸収不良による下痢

消化酵素が不十分であったり、消化されたものを腸から吸収する機能が障害されてしまっておきる下痢のことです。

ここでは別個に記載していますが、広義には炎症によるもの、手術後のものなども吸収不良です。

それ以外には具体的にはすい臓胆のう胆管の病気ですい液、胆汁が不十分になった場合や、セリアック病アミロイドーシスなど腸管からの吸収ができなくなってしまう病気が含まれます。

1fc126069854218a8a5ad497afb333bc_s.jpg

手術後の下痢

胃や腸の手術で一部を切除した場合、消化不良や吸収不良を起こすことによって下痢を起こすことがあります。

広義には吸収不良の下痢ともいえますが、このケースでは、まず手術をした主治医に相談する必要があります。

手術後の腸管の状態を一番よく把握しているのが、手術をした主治医だからです。 食事のとり方などをよく相談し、手術が原因なのかそうでないのかをまず確認することが大切です。

その他の病気が原因となる下痢

ほかに、全身性の病気が原因となる下痢というものがあります。 身近なところだと糖尿病でも起こりますし、アレルギーの病気でも起こります。

さらには甲状腺の病気や膠原病の中にも下痢を起こすものがあり、このような他の病気が隠れていないかということを調べてもらうことも大切になります。

まとめ

長引く下痢について正確な診断を受けるためには、消化器内科医による診察、検査、診断を受けることが最良です。

そのなかでも、腸の内視鏡までもやってくれるような消化器内科の病院で診てもらうというのがよい選択といえるでしょう。

参考文献)
Clin lnfect Dis :32:331-351;2001
診断と治療 :101(2):223-226;2013