忙しい人が病院を受診できない問題|病院の待ち時間は回避できるか

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現在の日本の病院で、数時間の長い待ち時間というのもめずらしくありません。これは当然ながらいいことではないと思っています。

平成23年の厚生労働省の受療行動調査では、30分以下の待ち時間が44.3%、30分以上が41.6%との結果です(残りは無回答です)。1時間以上というケースは20.4%で、決して少ないという数字ではありません。

そして子育てで忙しい主婦の方だとか、仕事が忙しいビジネスマンの方が、長い待ち時間のせいで受診をあきらめるという現状があります。

じゃあすいている病院にいけばいいといわれるかもしれませんが、混んでいる病院がある以上、すいている病院にはすいている理由があるわけで、忙しい人はそういう病院にしかかかれないというのは問題です。

このような人たちが短時間できちんと病院にかかれるようなシステムというものが必要だと思います。 それではなぜ病院ではこんなにも待たなくてはいけないのでしょうか。そして、病院を受診する人がこれをうまく回避する方法はないのでしょうか。


日本の病院は本当に待ち時間長い

よく日本の病院の待ち時間の引き合いに出される海外の病院の例ですが、海外では完全予約制で待ち時間が少ないといわれています。

しかしこれは現実には、実際に受診するまでの待ち日数が存在し、病院に着いてから診察室に入る時間は少ないものの、それ以前に数日~数週間、場合によっては数ヶ月の待ち期間というものが存在します。

日本の病院においてはこの待ち期間というものがほとんどないという点では、実は諸外国に比べてよい点といえます。 とりあえず医者に診てもらおうと思えば、その日のうちにどこかしらの病院にはかかれます。

しかし実はそのために院内における待ち時間が発生しているという現状があります。 つまり理想は、当日にかかれるという点を維持しつつ、病院に来てからの待ち時間を減らすことです。

緊急性がある場合の問題

当日にかかる患者さんを受け入れる際に問題となるのが、当日来る方の中に緊急性の高い人がいることです。 病院にもよりますが、そのような人を見つけるために受付後の看護師の問診などがある病院があります。

このような病院では、看護師が緊急性が高い、早く診察する必要があると判断すれば、診察室の医師にそのことを伝え、診察順番を繰り上げます。 このような患者さんの緊急性を判断する事をトリアージと呼びます。

トリアージは救急外来で行われることが多いですが、一般外来においても導入されていることがあります。 人員確保の問題がありますが、命に関わる病気の人に早く対応するために積極的に広まっていくべきシステムだといえます。

しかし緊急性が高い人だけを早めに診るシステムというわけではなく、緊急性が高いかもしれない人を早めに診るシステムなので、外来の予約の観点からいえばかなり予定は狂うことになります。


完全予約制で起きる問題

そのような当日の人は受け入れない、うちは完全予約制だ、という病院もないわけではないです。 現実問題として完全予約制で診察開始時間が決まっているケースであれば、忙しい人でも何とか受診できると思います。

しかし完全予約制の導入がすべての待ち時間の問題を解決するかというと実際なかなか難しいと思われます。

これは私の直接の経験ではないですが、海外で医者にかかって診察室に入ったらまず初めに「あなたの持ち時間は5分です」といわれ、ほとんどなにも説明できなかったという話があります。予約時間の正確性を重視するあまり、医療の質を保てなくなっている例といえます。

また、完全予約制という病院なのに予約枠では、1時間の間に20人も予約されていて、既に予約制が破綻しているというところも実際にあります。

完全予約制なのになんでこんなに待つんだというケースでは患者さんの数と外来の数が釣り合っていなくて、無理やり完全予約制と名乗りながら、実際は予約システムが崩壊している病院が多々あるわけです。

診察を時間で区切ることの問題点

診察は、時間が来たからおしまいですとできるものではなく、きちんと患者さんは伝えたいことを医師に伝え、医師もそれに対して医学的に答える必要があります。

じゃあ単純に外来の数を増やせばいいのでは、と思ってしまいますが、人員不足の問題はどの病院も厳しいようです。 病棟で入院患者を多数抱えている医師がそのまま外来をやっていたりするので、単純に外来を増やすということだけでも難しいという現状があります。

また、完全予約制で厳密に時間を区切ってしまうと、緊急性の高い人や症状が複雑な人に対しては柔軟に対応できなくなるという問題もあります。

現状での病院側の工夫

最近では、緊急性の低い初診の患者さんは後日の予約にしてもらってあらかじめ予約していた人を優先するという病院もあります。当日にかかることはできなくなってしまいますが、それでも予約の人の待ち時間は減るでしょう。

また、待ち時間を有効に使ってもらうため、電子掲示板に順番を掲示して待っている人に待ち時間を伝える病院も多いです。

さらに近年では、受付後に残りの待ち時間や人数を携帯電話で確認できるサービスというものがあり、導入している病院がけっこうあります。

サービスの画面にアクセスすると、あなたの順番までの人数や予想される時間が表示されるというサービスです。 受付だけ先に済ませてしまい、一旦仕事や家に戻って、順番が近くなってきたら病院にいくということが可能になります。

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まとめ

現在の日本では患者さんが多いという問題と当日にかかれるシステムを維持するという問題のためにどうしても待ち時間というものが発生してしまっています。

忙しい方は前述のサービスを利用している病院を選ぶといった方法でなんとかかかっていただくしかないのが現状であり、今後の改善が強く望まれています。

忙しい主婦の方やビジネスマンの方こそ、必要なときに手軽に病院にかかれるというのが理想なのではと思っています。