病院で病名を告げられたら|正確な病名を覚えておくことの利点

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初診の患者さんには必ず「これまで病気をしたことはありますか?」と尋ねます。これはどの医者にかかっても必ず聞かれるはずです。

すると「なんか肺の病気で一回入院したことがあるけど病名はわからない」とか、人によってはお腹に手術の傷があるのに「なんの手術だったかなー」とかいう人がいます。

過去にどんな病気にかかったか、または今どんな病気を治療中かというのは、診療を進めていく上でとても大切な情報です。

しかし、ご自分の病名正確にご存じない患者さんが非常に多いように感じています。 ご自分の病名を覚えておくことの利点を、ここでしっかり見直してみたいと思います。


他の医師に自分の状態を簡単に理解してもらえる

例えばあなたが熱が出て病院にかかったとしましょう。そして、熱でかかったのとは別に病気を持っていたとします。

これも一例ですが、そこで「肺の病気で薬を飲んでいます」と伝えるのと「気管支喘息で薬を飲んでいます」と伝えるのでは、情報の質が全く異なります。

前者では、気管支喘息の他に肺気腫や肺炎、または肺がんで抗がん剤の飲み薬を飲んでいるかもしれないので、医師にとっては情報の範囲が広く、患者さんの今現在の治療を絞りきれません。

後者では、喘息であればだいたい飲む薬の種類は限定されるので、飲んでいるとしてもステロイドまで飲んでいるのかな、とか限定的に推測することができます。

そして、そのように自分の病気を正確に医師に伝えることで、いま起きている問題が、のんでいる薬の副作用と結びつくのか、治療中の病気の症状と結びつくのかまで詳しく考えてもらうことができます。

場合によってはもっている病気を正確に伝えることで、より迅速に診断にたどり着ける可能性があります。ご自分の医療情報をどこまで詳細に覚えているかというのは、診断に至るまでの医療の質に関わってくるわけです。

自分の知識を増やすことに役立つ

正確な病名を覚えていれば、それがどんな病気なのか、どのような症状がでる可能性があるのか、調べることができます。

医師によっては、インターネットの情報は不安をあおるだけだから、患者さんは自分の病名を調べない方がいいという人もいるようですが、私はそうではないと思います。

今の時代、自分の正確な病名覚えていれば、インターネットで検索することで非常に多くの情報が手に入ります。 より患者さんの不安をあおるような記事もある一方、その病気の治療の経験者のブログなど、共感を得られる貴重な情報にたどり着くこともあります。

また、同じ病気で悩む患者さんたちのグループの活動などにもたどり着くことがあり、インターネットで病名を検索することは思わぬ形で役に立ったりします。

インターネットの情報の正確性の確認は、受け取る側に委ねられてしまいますが、それでも適切な情報の取捨選択をすれば価値の高い情報にたどり着ける可能性があります。

しかし正確な病名を覚えていなければそもそもインターネットで病気の情報を調べることすらできません。


他の人と情報を共有できる

例えば家族や友人にとっても同じことが言えます。病院でなんといわれたのか、心配している人がいるのであれば正確に情報を伝えてあげなくてはいけません。

正確な病名を伝えれば、家族の人がそれについていろいろ調べてくれたりすることもあるでしょう。

また、遺伝するような病気であれば、自分の家族にその病名を正確に伝えることは家族のためにも大切です。

自分の血のつながっている人間に遺伝する可能性のある病気をもっているという情報は、今度は家族の人が病院にかかることがあれば診断や治療に関わる非常に大切な情報になってきます。

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まとめ

ご自分の病名を正確に覚えておくのは非常に大切です。次に他のことで病院にかかった時に、これまで何の病気をしたことがあるかというのは貴重な医療情報なのです。

正確な病名を記憶しておくことは、あなたが医療機関で受ける医療の質、またはあなたのご家族が受ける医療の質に影響してくる可能性があります。

医師に病名を伝えられたら、必ず忘れずにメモしておくようにするのがおすすめです。