紹介状はなぜ大切か|紹介状によってあなたが得られる利益

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引越しに伴って病院を変えるときや、専門の病院へ紹介されるときに紹介状が必要になります。

紹介状なんてなくても大丈夫だったよ、という方もいるかもしれません。しかし、絶対にあったほうがよいのです。


紹介状は自分を客観的に見た情報

なぜならば紹介状は患者さんの「客観的な医学情報」だからです。 医療というものは主観的な情報客観的な情報の両者が合わさってはじめて質の高いものとなります。

「おなかが痛い」とか、「3ヶ月前から調子が悪い」というような、自分で自分の状態を説明したものが「主観的な情報」です。

医師の診察所見や検査の結果が「客観的な情報」です。 この二つから診断がなされ、治療方針が決定されるわけです。

ここで重要なことは、どちらかが欠けても十分な質の高い医療が達成されないという点です。二つがそろうことが質の高い医療にとって大切なのです。

患者さんには紹介状をもらう権利がある

しかし病院を変えるときなど、診てくれている今の医師に悪い気がしてなかなか言い出すことができないという方もいらっしゃるようです。

紹介状をもらうのに尻込みする必要はまったくありません。紹介状に書かれるのはあなたの情報であり、それはあなたのものなのです。

あなたの医療情報は医師のものではありません。 必要があって病院を変えたいとき、遠慮せずに紹介状をもらうようにすべきです。


実際のところ医師は患者さんが遠慮するようなことは気にしていない

患者さんの情報を紹介状として書くことを、医師はべつに「この人は自分の治療がいやなのだな」とか悪く受け止めることはありません。

少なくとも私はまったく気にしていません。むしろ、必要な医療行為の一つとして認識しています。

紹介状を書いてくださいといわれたからといって、患者さんに嫌われたとか、そんなふうに受け止めることはありません。

具体的に紹介状には何が書いてある

紹介状にはこれまでの治療経過や処方、検査の結果などが記載されています。

専門的な病院では紹介状がないとかかれないところもあります。しかし、紹介状がなくてもかかれる病院であっても、紹介状をもっていったほうが有益であることは間違いありません。

たとえば高血圧でかかっていて病院をかえようとしたとしましょう。そのような場合の紹介状の内容の例を示します。

○○病院 ××先生御机下

平素よりお世話になっております。

当院に通院されておりました○○様ですが、今後の治療の継続を貴院でご希望されておりますのでご紹介申し上げます。

○○様は高血圧で■■■2.5 mg 1錠 (1日1回朝食後)を内服されており、血圧は現在120-140/60-70 mmHg程度で安定しております。

尚、●●● 20 mg の内服でめまいの症状があり、処方を中止いたしました経緯がございますのでご留意頂けますと幸いです。

また、当院での心電図検査、採血検査の結果、処方内容を同封させていただきます。

何卒、今後の御加療のほど、よろしくお願い申し上げます。

△△病院 医師 □□

一般的な紹介状はこのような感じで書かれています。 これぐらい自分で説明できるし、検査結果だけ持っていけば十分でしょという方もいらっしゃるかもしれません。

しかい大切なのは、これを自分で説明しても、それは「主観的な情報」になってしまうということです。

「主観的な情報」のままでは、そこに患者の願望や記憶違いが入り込む可能性を、医師は否定できないのです。

紹介状が、医師が患者さんについて客観的視点から記載した情報である、という点が重要なのです。

「主観的な情報」と「客観的な情報」で医療は成り立つ

特殊な場合、たとえば患者さんの意識がない緊急の場合などでは、医師が患者さんから「主観的な情報」が得られないこともあり、それでも医療は行われているのだから紹介状はいらないのではないかという意見もあるかもしれません。

しかし前述のように、本来「主観的な情報」と「客観的な情報」が揃ってはじめて質の高い医療は成り立つのです。当然、「主観的な情報」または「客観的な情報」のどちらか一方だけでは正確な診断が難しくなりますし、よって正確な治療をすることが難しくなる可能性もあります。

通常の外来診療で紹介状なしに病院を変えた場合、医師は主観的な情報に限らず、客観的な情報も、すべてを最初から集めなおすことになります。その結果、同じ検査をもう一度されてしまったりといった可能性もあります。

検査の繰り返しは患者さんからすれば負担になってしまいますが、病院にとっては利益になるので、紹介状がなくて必要であれば同じ検査をされてしまうかもしれません。

また、既に前の病院から薬をもらっていた場合、何を飲んでいたのかは処方を継続する上で大切な情報になりますし、どのような意図で前の医師が処方した薬なのかという情報も重要です。

紹介状があれば、これらのような今までの治療経過が一瞬で新しい医師に伝わりますし、同じ検査の繰り返しを避けることができます。その結果、質の高い治療がスムーズに継続される可能性が高まります。

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まとめ

紹介状に書かれている情報はあなたの医療情報であり、あなたのものです。もらうことに対して遠慮する必要はありません。

そして紹介状が大切な理由は、それが「客観的な情報」であるからです。

うまく利用して、より満足度の高い診察、治療を受けることに役立てていただければと思います。