生活習慣病は立派な病気|症状がないからこそ恐ろしい

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患者さんに「なにか病気はありますか?」と聞いて「特にないです」と言われた後に、「では今薬を飲んでいるとかはないですね?」と聞くと「血圧の薬を飲んでいます」などと言われることが非常に多いです。

高血圧症は一つの病気であるという感覚は、医師にとっては当然の感覚なのですが、患者さんにとってはそうではありません。

しかし、高血圧症として診断され、薬を飲んでいる以上、病気であると自覚することが治療の上でも大切です。

それでは高血圧などの生活習慣病は病気ではないという感覚のズレはなぜ出てくるのでしょうか。


生活習慣病症状がない

そもそも、生活習慣病それ自体では、苦しいとかつらいとかの症状が出てくることはほぼありません。

生活習慣病はその名の通り生活習慣が原因と考えられる病気を指します。

血圧が高い高血圧症、コレステロールの値が異常である脂質異常症、血糖値が慢性的に高い糖尿病などが含まれます。

いずれも症状が目立つことは少なく、血圧が高くても症状がない人がほとんどですし、コレステロールの値が健康診断で異常だったからといって痛いとか苦しいとかの症状にはつながりません。

また、糖尿病も血糖値が少々高いくらいではまったく症状はでません。重症となるまで進んでやっと、最近のどが渇きやすいとか、水を飲む量が増えたとか、体重が減ってきたとか症状がでてきます。

生活習慣病で薬を飲んでいる人でも、そのほとんどの人はまったく症状を感じることはありません。

症状が出たときにはもう重症である

しかし症状がなくても生活習慣病は立派な病気です。なぜならば、将来的に心筋梗塞脳梗塞などの重症な病気につながるからです。

当然ここまでいくと、心筋梗塞であれば胸が痛い、苦しいといった症状が、脳梗塞であれば手足の麻痺などの症状がでてくるわけです。

つまり、生活習慣病で症状が出たときにはもう重症な病気になってしまうわけで、そうならないように治療しなくてはいけないのが生活習慣病なわけです。

ですので、高血圧などで薬を飲んでいる方には、ある意味自信を持って「病気あります」と言っていただきたいのですが、これを病気ととらえている方は本当に少ない気がします。


生活習慣病のあるなしは他の病気の診断に重要

なにか体に問題があって病院にかかったときに、生活習慣病があるかないかは問診上非常に重要です。

生活習慣病がある人はそれだけ心筋梗塞や脳梗塞の可能性が高いわけですし、動脈硬化によるほかの病気の可能性も高くなります。

何か症状があって病院にかかるのであれば、生活習慣病があることを医者に伝えたうえで、診察や検査を進めてもらわなくてはいけません。

ですので、私は何か病気がありますかと聞いた後に必ず「健康診断で異常をいわれたことはありますか?」と「血圧が高いとか、コレステロールが高いとか言われていませんか?」としつこく質問を追加します。

そこまで聞いて、やっと思い出していただいて、高血圧で薬を飲んでいますとか、コレステロールの薬を飲んでいますとか教えてもらえることがほとんどです。

生活習慣病病気であるという自覚が大事

実際問題、生活習慣病は病気であると自覚することが治療を進める上で大切なのですが、そういう自覚のない方が多いのは医師側の問題もあるのではと思います。

「血圧高いから薬だしますね」だけでは当然何もわかりませんし、治療も続けようという気になりません。 医師側がもっと生活習慣病危険性について、そして薬を飲む必要性についてじっくり説明するべきですが、これが足りていないように思います。

また逆に、医師が薬を処方しようとしたら、何の薬なのか、何のために飲むのかについて聞かずに漫然と薬をもらっている患者さんが多いのも問題です。

生活習慣病は将来的に心筋梗塞や脳梗塞につながる病気であり、それを避けるためにしっかりと治療を続けていくことが大切だと理解しなくてはいけません。

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まとめ

高血圧の薬でも、コレステロールの薬でも、「何か病気がありますか」と聞かれたら、高血圧がある、脂質異常症があると医師に伝えなくてはいけません。

生活習慣病は立派な病気です。そして、「生活習慣病は病気である」と自覚することがその治療の第一歩なのです。