小さい病院でも高度な機器で専門的な検査をしてもらえるしくみ
小さい開業クリニックだと、便利である反面、専門的な検査はしてもらえないのではないか、という不安を持たれている方も多いかもしれません。
確かに、大きな病院に比べると、CTやMRIなどの大きくて高額な検査機器を置いているクリニックは少ないです。 しかし、そういったクリニックなどから依頼を受け、検査だけを専門に行う医療機関というものがあります。
クリニックがそういった機関と連携を取っていると、小さいクリニックからであっても、専門的な高度な機器を使用する検査の予約ができ、検査が終わったら結果をクリニックで説明してもらうというシステムがあるのです。
検査専門の医療機関って?
もし検査が必要となった場合、誰でも最初から性能のいい最新の機械で検査を受けたいはずです。 しかし、そのような高額な機器はどのような医療機関にもあるわけではありません。
そこで、性能の良い最新の機械を、地域のクリニックや病院で利用するという考え方から、検査専門の医療機関というものが存在します。
具体例をあげると、メディカルスキャニングなど多数の施設を展開している医療機関もあります。 こういった機関は、多くの小さな病院からの検査の予約を受け入れており、大病院などでも、その病院の予約がいっぱいだった場合に使われたりしています。
検査専門の機関を使うとどういう流れで検査をうけるの?
例えば、かかりつけのクリニックがそういったところと連携していれば、医師が検査が必要と判断した場合に、連絡を入れて検査の予約を直接とってもらえます。
そして患者さんは検査の予約日に、検査専門の機関へ行き、検査だけを受けます。 CTやMRIなどの多くの検査は、専門の医師が検査の写真を読影することが必要になります。
専門医の読影が必要な検査の写真などは、検査専門施設内で詳しく読んで、結果がかかりつけのクリニックに送られます。 結果がクリニックに届いたところで、患者さんはクリニックへ行き、クリニックの医師から結果を説明してもらうことになります。
小さいクリニック内に検査室があるのではなく、小さいクリニックの外部に検査室がある、というイメージを持つとわかりやすいかもしれません。 私も実際に何度か、患者さんに使っていただいたことがありますが、大病院などで予約を取るよりも、早く検査ができる印象があります。
大病院の検査は外部からは受けられないの?
このような検査のみを専門にやっている機関のほかに、大きな病院で高度な検査機器がある病院でも、地域のクリニックからの予約を受け入れているところがあります。
そういった大病院であれば、混んでいる大病院を初診でかからなくても、クリニックから予約を取ってもらって検査だけを受けることが可能です。
ですので、大きな病院の高度な検査機器で検査をしてもらうために、必ずしも最初からその大きな病院に初診でかからなくてはいけないわけではないのです。
まとめ
検査専門の機関の存在によって、多くの患者さんが高度な検査を受けられるようになってきました。 地域連携が確立しているところでは、検査専門でない大きな病院でも、小さなクリニックからの検査予約を積極的に受け入れています。
大きな病院にかからなくても、高度な医療検査を受けられる上、医療経済的にも、そして患者さんの負担の面からも良いシステムといえるでしょう。
病院にかかるとき、「小さい病院は専門の検査ができないから不安だ」という考えは、今や過去のものになりつつあるといえるでしょう。