医療に入り込むスマホのアプリ|これまでの検査機器を駆逐する!?
最近の医療アプリとかを見ていて、不整脈の診断の検査が、近い将来スマホのアプリに置き換わるんでないかなぁと思ったのです。 ちょっとこのことに触れてみたいと思います。
不整脈の診断は症状があるときに心電図をとらなくちゃいけない
動悸でドキドキすることがある!という場合に、不整脈かどうか診断するためには、ドキドキしているときの心電図をとらなくてはいけません。
実際に症状があるときの波形を診ないと、確定的な診断はできないのです。 そのための検査で、24時間にわたって、小型の心電図計をつけていただくホルター心電図という検査がこれまでずっと行われていました。というか今も行われています。
しかし、このホルター心電図の弱点は、24時間で回収して解析するため、その時間内に不整脈が出ないと無駄になってしまうことでした。
24時間で診断がつく人はなかなか少ないのが現状
24時間という時間設定は、電池の問題や病院の検査システムの問題もあるのだと思いますが、毎日不整脈が出るような人でないとわからないという弱点があったのです。
例えば、月1回くらいしか不整脈の発作がでない人もけっこういるわけで、こういう人の診断はなかなか難しいのです。
実際のところ、症状が出たときに救急外来にかかって、初めて診断されましたという人が多くいらっしゃいます。
でも、「あ、不整脈の発作だ!」というときに、すべての人が不整脈がでている間に救急外来に駆け込めるとはかぎりらないわけです。
実は携帯の心電計があるにはある
そういった弱点を補う携帯心電計というものがあり、症状が出たときに両手で触って心電図を記録する(電気の流れを記録するので、体で回路をつくる必要があります)という機械です。
しかし、不整脈に特化したような専門の病院でないと設置しておらず、動悸を一般的に多く診療する一般内科レベルでは置いていないのが現状です。
置いてあったとしても、既に不整脈があるとわかっている人に持っていてもらったりといった使い方が多く、「不整脈かどうか調べる」レベルではあまり使われていません。
いまいち広まっていないのは、保険点数の問題などもあるようですが、現状では需要のわりに少ないという印象です。
心電図測定はもうスマホのアプリでできるってほんと?
最近のスマホのアプリのヘルスケア業界への侵攻はすさまじく、既にトレーニング領域では心拍数などの記録を行うアプリがたくさんあります。
これは今後医療分野の機器がスマホのアプリに置き換わっていくんでないかと思っていたら、やっぱりスマホを使った心電図計もありました。
現時点では値段も高いし、別売りの機器がけっこう大きめですが、将来的にスマホを両手で握るだけで不整脈の記録ができる日も来るんではないかと思っています。
もしそれが実現すると、ホルター心電図や携帯心電計は衰退していって、いずれなくなるだろうなー・・・と思いました。
スマホのアプリで、「あ、不整脈の発作だ!」と思った時に記録して、後日医者に見せるというだけで診断してもらえるわけです。
こういった方法が確立すれば、いまの診断にかかっている患者さんの手間をだいぶ省けるのではと思います。
まとめ
個人的には、おそらく医療における診断に、スマホのアプリが使われる日が近いのではないかと思っています。
安全性、正確性の検証はもちろん必要ですが、常に患者さんの手元にあるという利便性は大きいです。
それら安全性、正確性の問題をクリアした後、利便性によって今の検査機器は駆逐されてしまうだろうなぁと思います。