病院に行かずに名医を探すことの限界|一番良い医者とはなにか
病院ランキングなどの雑誌など、良い病院、良い医者を探すための情報というものは価値があります。実際、多くの人がそういった情報を求めています。
しかしそういった情報はあくまで一つの側面であるというのも、知っておかなくてはいけないことなのではないかと思います。
良い医師はどうやって探せばいいんだ!という問いに対して、私自身がもし自分や家族の主治医を選ぶとしたら、どうやって決めるかということを考えてみたいと思います。
まず自分の主治医を選べるのか?
自分の主治医をどうやって決めるかというのは難しい問題です。 そもそも、入院すると自動的に決められていたというケースもあり、希望が通らないこともあります。
しかし、外来レベルであれば、特定の医師に向けて名指しで紹介状を作ってもらったり、いくつかの病院にかかってその中から選んだりということも可能です。
すべてのケースで完全に自分の意思で選べるわけではないものの、自分で主治医を選ぶことは可能であるといえます。
じゃあどうやって医者を選ぶか?
そのような「医者を選ぶ」というとき、多くの人が雑誌に載っていた手術件数だとか、その医師の勤務する病院自体の評判とか、有名であるかどうかとか、そのようなことに注目します。
誤解をさけるためにいっておきますが、決してこのような選び方が間違いであるということではありません。
本当にその医者がいい医者かどうかは、そのような雑誌などの媒体や評判を通して世間に広まっていくはずです。
そうやって得られた情報は、医師を選ぶ際の重要なものであることは間違いありません。
求める医者はどんな医者か?
しかし、そういった情報をそのまま受け入れる前に、少し立ち止まって考えるべきことがあります。
そういった情報はあくまで一つの側面にすぎず、本当に自分にとって良い医者かどうかと、必ずしも一致するわけではないのです。 手術件数が多ければよい、有名ならばよい、というわけではないはずです。
本当に医師に求めるものが何なのかという問題に立ち返って、目の前の医者を評価しなおしてみると、見えてくるものがあるはずです。
その医師と直接会ってどう感じたか?
私は、自分や家族が必要とする治療の領域で、実績を持っている医師を、アクセス可能な情報をフルに使って探すことは非常に大切だと思っています。
しかし、そうやって絞った選択肢の中から、最後に自分の主治医を決めるときには、やはり直接会って話すことが何より一番大切だと思います。
その医者が自分を診察室に迎え入れて、その病気について話合うとき、いいたいことをどれほど言えたか、どれだけ信用できると感じたかということが大事です。
その医師と長い期間うまくやっていけそうか?
どんな治療にせよ、治療前から治療後のフォローまで、主治医とは長い付き合いになります。
実際のところ、雑誌の評判などでいらして、そのままの流れで治療を受ける人も多いです。
しかし、最終的には根底で医師との人間関係がうまくいっているかどうかが、時間と共に重みを増してきます。
患者さんと医者の間のトラブルというものは、根底のコミュニケーション不足が原因であることが実際多いです。
何かあったときに気軽に聞きたいことを聞けるか、遠慮のいらない関係か、という点が、治療にも直接影響してきます。
まとめ
よく、どうやって良い医者を探せばいいのかわからないという意見を聞きます。
世間にはいろいろな情報が出回っており、どの情報を信用して良いのかわからないということもあるかもしれません。 しかし、家でパソコンや雑誌に向かっているだけでは、本当に必要な医師にたどり着くのはなかなか難しい現状があります。
もし私が、自分や家族の主治医を探すとしたら、当然その医師の評判も考慮しますが、最終的には何よりも会って話してみて決断します。
そして、そのような会って話した印象を重要視するかどうかが、受ける医療の質にも影響してくると考えます。