めまい、ふらつき、立ちくらみは何科にかかるのが正しいの?

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めまいふらつき立ちくらみなど、いわゆるふらふらする」という症状で外来にいらっしゃる方、非常に多いです。

多くの方が「何科に相談すればいいか迷ったんですけど・・・」と、どこの診療科にかかるべきか判断できずに迷ってしまうようです。

ふらふらするという症状の専門は何科かというのは、一つに絞って挙げるのは難しい問題です。結論からいってしまうと、 迷う場合は一般内科にかかって判断してもらうのが手っ取り早い方法であり、正解であるといえます。

まず一般内科を受診して自分の症状を説明し、適切な診療科がどこなのかを医師に確認するのが要領のよいやり方だと思われます。

じゃあなぜめまい、ふらつき、立ちくらみが何科なのかという問題は難しいのか、下記にいくつか具体例とかかるべき診療科を挙げていきます。


そもそも本当に「めまい」ですか?

まず「めまい」という表現のあいまいさを取り上げて説明します。「めまいがする」と言っても、人によって伝えたい症状が大きく異なるという問題があります。

「一瞬くらっとした」とか、「ぐるぐる目が回る」とかいった症状は、いずれも「めまい」であるように思えます。

しかし医学的な「めまい」は持続的に目が回るようなくらくらとした感覚、ぐるぐる回るような感覚、ふわふわするような浮遊感などを指します。

一瞬から数秒のくらっとした感覚やふらっとした症状は医学的に「めまい」とは扱われません。後述しますが一瞬から数秒の症状は「立ちくらみ」であるケースが多いです。

医学的な「めまい」の原因として、平衡感覚をつかさどる小脳の異常からくる「」の病気と、耳の奥にある三半規管の異常からくる「」の病気があります。

前者の「脳」の病気であれば神経内科が専門になり、具体的には小脳の脳梗塞などがあります。

後者の「耳」の病気であれば耳鼻咽喉科が専門となり、具体的には良性発作性頭位眩暈症メニエール病などがあります。

「めまい」で神経内科を受診すれば、小脳などの平衡感覚に関わる脳の病気がないかどうかを調べ、耳鼻咽喉科を受診すれば三半規管の病気がないかどうか調べるということになります。

しかし自分の「めまい」が「脳」の病気なのか「耳」の病気なのか、自分でわかる人はいませんので、どちらに先にかかっても間違いではありませんし、迷うのであれば普通の内科を受診して判断してもらいましょう。

急激なひどい「めまい」でとても歩いて病院に行けないという場合には、救急車を呼ぶしかありません。前述のように「めまい」は脳梗塞の症状である可能性もあるので、救急車を呼ぶのに遠慮する必要はありません。

「めまい」で救急車に乗って病院に行った場合には、救急医または当番医が最初に診療して「脳」なのか「耳」なのか原因を調べることになります。

じゃあ「立ちくらみ」ってなんだろう

私の経験では、「めまい」がするということで来た方が、話を聞くといわゆる「立ちくらみ」であることが多いです。先ほどの一瞬から数秒のクラクラやふらつきというのがこの「立ちくらみ」に含まれます。

よくよく話を聞くと、常にふらふらするとか、ぐるぐる回る感覚があるのではなく、椅子から立ち上がった時に一瞬ふらっとするという症状だというケースです。

この「椅子から立ち上がった時に一瞬ふらっとする」のは、医者から見るとめまい」でなく「立ちくらみです。 立ち上がったときなど、頭が急に高い位置に持ち上げられるときに起こる、ふらっとした感覚、意識を失いそうになる感覚です。

「立ちくらみ」の場合には立ち上がった時に血圧が下がり、脳への血流が不十分になる「起立性低血圧の可能性があります。

この場合は、それを増長する貧血や脱水がないかどうかなどを調べてもらわなくてはいけません。 一応起立性低血圧」を扱う専門科は、あえて挙げれば循環器内科ということになります。

しかし、その原因が例えば消化管の出血などであれば消化器内科になりますし、必ずしも循環器内科で完結するわけではありません。

「立ちくらみ」の原因について、自分で「脱水による起立性低血圧だ」とか、「貧血だ」とかわかる人はいないと思いますので、まず内科で判別してもらうのがよいと考えられます。


じゃあ「ふらつき」ってなんだろう

「ふらつき」が指す症状の範囲も非常に広く、人によって伝えたい症状の本質は大きく異なります。

「ふらつき」は「めまい」や「立ちくらみ」も含めたすべての「ふらふらする」という症状に使われている印象があります。上に説明した「めまい」と「立ちくらみ」の両方の可能性があるので、これに関しても内科で相談して適切な診療科を聞くのが一番だと思います。

ちなみに私の外来での経験では、「最近よくふらつく」という症状で内科にいらっしゃった方の原因は、内科的な病気に限りません。

例えば、よくよく話を聞くと片方の膝の痛みが強くて、歩くときにしっかり踏み込めずにふらつくという方もいらっしゃいました。

この場合は、患者さんの話と診察で膝の変形性関節症が疑われたので、整形外科へ行っていただくことになりました。

ですのでふらつき」の専門は何科かというと非常に難しいところです。

「ふらつき」という症状が出る病気を多く診療しているという点で、あえて挙げるならば神経内科かな、と思いますが、前述のように局所的な足や関節の痛みなどの問題があって整形外科に行っていただくケースもあるわけです。

ですので、やはり内科で一度相談して、医師に判断してもらうのが一番だと思います。

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ふらふらする感覚の表現は難しい

このように、めまい、ふらつき、立ちくらみはそれぞれがどの症状を指すのか、明確な範囲が決まっているわけではありません。

人によって、その言葉によって表現したい症状は異なるので、例えばインターネットで調べて「めまいの専門は耳鼻科」と書いてあったとしても、それが本当に自分にあてはまるとは言えないのです。

ふらふらするという症状は、様々な病気で出現してきますし、それを患者さん自身で受診する専門科を無理やり絞るのはなかなか難しく、場合によっては自分で受診する科を絞るのはあまり得策ではないのではないかと思います。

この記事の内容が受診の際に参考になればとは思いますが、迷うような場合はとりあえず一般内科の医師に判断してもらうのが手っ取り早いといえます。

まとめ

「めまい」、「立ちくらみ」、「ふらつき」などの「ふらふらする」ような症状は、それぞれ病気によって専門科があるものの、迷う場合は一般内科で判断してもらうべきです。

あなたのその「ふらふらする」症状が、どれに当てはまるのか、あなたの症状について詳しく伝えて、医者とよく相談することが大切です。

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