おならやげっぷが多い人の意外な原因|空気を飲む呑気症は何科?
げっぷが多い、おならが多いという症状で相談される方がけっこういらっしゃいます。
そういった中で、胃カメラの検査などで何も異常が見られず、おそらく呑気症(どんきしょう)ではないかと考えられるケースが多いです。
呑気症は空気を飲み込むことで、げっぷが多くなったり、おならが多くなったり、胃がもたれたり、といった消化器症状がでる状態です。
呑気症は空気嚥下症(くうきえんげしょう)とも言われますが、検査で異常がないものの、有効な治療が確立していないため、ドクターショッピングを招くことも多いといわれています。
呑気症はどうやって診断してもらう?
よくげっぷが出る、おならが出る、お腹が張る、胃がもたれる感じがするといった症状がある場合、まず消化器内科で胃や腸の病気がないか調べてもらう必要があります。
そして、お腹のレントゲンを撮ることで、お腹に空気がたまっているかどうかを調べてもらうことができます。
大量の空気がたまっているにも関わらず、内視鏡の検査なども含めて、明らかな原因となるような病気がない場合、呑気症が疑われます。
異常がないという具体的な検査結果と、呑気症が起こりやすい要因がないかどうかを確認した上で診断されることになります。
呑気症はどういう人でなりやすい?
呑気症の人の多くは、日中起きているときの歯を噛みしめる行為に反応して、唾液と一緒に空気を飲み込んでしまうことが原因のひとつであると考えられています。
不安症がある人、うつ状態の人、ストレスの多い人に見られると言われています。
そのほかにも、習慣的に歯を噛みしめてしまう人、パソコンなどで仕事中にうつむく姿勢を常にとっている人でも起こりやすくなります。
また、入れ歯が合わないなどといった、口の中に気になってしまう症状がある場合にも、日常的に反射で空気の嚥下が起こりやすくなります。
治療で呑気症は良くなる?
呑気症の治療は、まずその症状が、空気を飲み込むために起きているという病態を知ることから始まります。
病気かもしれないという不安がなくなるだけで、症状が良くなる方もいます。 うつ状態や不安があるのであれば、それに対して治療をすることで改善の可能性があります。
これは心療内科の専門領域になってきます。 また、無意識に噛みしめてしまうことを避けるために、専用のマウスピースを使います。
これは心療内科と歯科の連携で行う治療になりますが、すべての呑気症の人が試してみるべき治療と言われています。
まとめ
げっぷやおならが多いけれど、検査ではなにも異常がないと言われたという場合、呑気症の可能性があります。
まず消化器内科で病気がないかどうか調べてもらった上で、呑気症が疑われたら、症状の改善のために心療内科での相談をお勧めします。
参考文献)
治療:91(1):58-63:2009
今日の治療指針:2014 医学書院